体力的にキツくなる?40代からの剣道事情
剣道のみならず、日常生活でも体力が落ちたなと実感するシーンがあるかもしれません。
ですが、剣道は一生涯行える武道です。体力の低下が目に見えてくる40代でも楽しめる情報をご紹介します。
■中年剣士の武器は技術と経験
10代の若い剣士の武器は豊富な体力と勢い、パワーかもしれません。しかし40代以上の剣士は若者にない技術と経験があります。
面や胴、小手への打ち込み一つでも、若い剣士と中年剣士では鋭さが違います。
足さばきも洗練され、無駄が削ぎ落されます。防御にしても、相手の攻撃をいなすのが若い剣士よりも上手に出来ます。
剣道は経験者ほど有利です。若い人を相手にする時、パワーで挑むのは不利になってしまうのは仕方ありません。
相手の土俵に乗るのではなく、自分の土俵に引きずり込みましょう。
■体力を落とさない稽古方法
体力・筋力が落ちていく40代だからこそ、体力を落とさない稽古が必要になります。
40代で体力を落とさない稽古をするうえで覚えておいてほしい事は、無理をしない事です。
10代・20代の時と同じ感覚で体を鍛える事は難しいです。そのため、今の自分にとって無理のない範囲で長く続けていくのを心がけましょう。
走り込み
40代に入ると人の体力・筋力は衰えていきます。特に下半身の衰えるペースは上半身よりも早いと言われています。下半身は剣道において重要な部分のため重点的に鍛えましょう。
下半身を鍛えるなら、走り込みが効果的です。この時、同じペースを延々と走るよりも、短い時間全力で走るダッシュと、一定の速度を維持して長い時間を走るランニングを交互に行うのが効果的です。
人間の筋肉は持久力と瞬発力の両方を鍛えると高い効果を発揮します。そのためダッシュとランニングを交互に行うのが理想的です。
ただ、走るのが苦手な方や体力に自信の無い方はウォーキングから始めましょう。
効果が出るまで時間は掛かりますが、二ヶ月もすれば体力が付いてきたのが自覚できます。
縄跳び
下半身強化のために筋肉を鍛えるのも良いですが、スクワットや器具を用いた筋トレは体に対する負荷が大きくなってしまいます。
そこでオススメなのが縄跳びです。縄跳びは一定の感覚で上下に飛ぶことから体力向上にも、足腰の鍛錬にも効果的です。
室内で行う場合や、縄が無ければその場を飛び続けるだけでも効果があります。一分間、真っ直ぐ上に飛び続けるだけでもかなりの汗をかきます。
水泳・水中ウォーキング
近所にプールつきのフィットネスクラブ等がある場合、この方法もおすすめです。
水中は浮力の関係上、通常よりも筋肉や関節への負担が少なくなるため、無理をせずトレーニングを行うことができます。
水泳はもちろん、水の抵抗を受けながら歩くだけでも全身の筋肉にほどよく負荷がかかり、体力向上が期待できます。
また、こういったフィットネスクラブには専門のトレーナーさんがいます。自分の現状を相談しながら適切なトレーニングを行えます。
■試合での体力回復テクニック
オススメなのは呼吸法です。
人は肺を膨らませて息を吸いこみ、萎ませて息を吐きだします。
この時意識するのは、肺では無くお腹です。お腹を膨らませて空気を取り込み、お腹を萎ませて息を吐き出すイメージで呼吸を繰り返します。
吐き出す時はゆっくりと、少しづつ吐き出しましょう。この呼吸法は腹式呼吸のやり方です。
人は興奮や疲労状態だと呼吸が浅くなります。一方で深い呼吸は体力を回復する効果があるとされています。
この呼吸法を行うことで集中力も上がりますので、ぜひ試してみて下さい。
■剣の道は一朝一夕ではならず
剣道において40代は一つの転機となります。というのも、剣道の段位には年齢制限があります。
剣道では初めの段位である初段を獲得できるのは13歳以上と定められています。そこから一年以上修業した物は二段への昇段審査に挑めます。
これを繰り返す事で最高段位の八段まで昇段できますが、46歳以上でないと昇段審査は受けられません。
また剣道には段位の他に練士・教士・範士といった称号があります。
この称号を習得するのも練士だと60歳以上という決まりがあります。そういった意味では、剣道を極めるには40代からが本番とも言えるのかも知れません。
■まとめ
・40代は体力の低下が目に見えて現れやすい時期。しかし剣道は年齢が上がっても楽しめます
・40代剣士の武器はこれまで培った技術と経験。これを生かして相手を自分の土俵に引きずりこむのが重要
・とはいえ基本的な体力も大事。無理せず「体力を落とさない」ためのトレーニングに努めましょう
・試合の合間には体力回復も大事。息を落ち着かせて次の試合に臨みましょう
・剣道にはある程度年を重ねないと獲得できない段位・称号もあります
剣道は一生涯続けられる武道と言われています。
年を取って体力が落ちたと嘆くよりも、自分の持っている技術や経験、何より剣道を通じて学んだ事を若い世代に積極的に伝えていきましょう。