“飲めない人”が飲み会と上手く付き合うには
最近は気温も高くなり、お酒好きの人にとっては冷たいビールがおいしい季節になってきました。
特に汗をかいた稽古後には「このあと一杯どう?」というお誘いも多くなってくるのではないでしょうか。
みんながみんなお酒を飲める人ならばいいのですが、お酒を飲めない人や、諸処の事情でお酒をひかえている人にとっては頭の痛いお誘いかもしれません。
今回はお酒を飲めない人が飲み会をうまく乗り切る方法をいくつかご紹介していきます。
■ノンアル系ドリンクを頼む
ノンアルコールドリンクは「車の運転手をしなければならないので飲めない」「お酒は飲めないがつきあいで飲み会に参加しなければならない」といった層からの需要が高く、市販のものでもビールやカクテルをはじめとして様々な種類が出回っています。
スーパーやコンビニ等で手軽に手に入ることもあり、すっかり身近な存在になりました。
最近ではノンアルコールドリンクを置いていない居酒屋のほうが珍しいほどです。
ノンアルコールでも酔う?
ノンアルコールドリンクを飲んだときに、「空酔い」といって実際に酔ったときのような気分の高揚感や開放感が起こることがあります。
これは脳がアルコールテイストのノンアルコールドリンクを、本物のアルコールと錯覚することによって起こる現象です。
もちろん個人差はありますが、ソフトドリンクでは今ひとつ周囲の盛り上がりについていけない、飲めないけれど飲み会の雰囲気を楽しみたいという場合はノンアルコールドリンクで酔った気分を味わうのがおすすめです。
ノンアルコールは本当に0%?
現在の日本の法律ではアルコール度数1%以下のものを「ノンアルコールドリンク」として分類しています。
1%と聞くと「ノンアルコールと銘打っておきながら0%じゃないのか」と思われるかもしれません。
ところが日本ではアルコール度数0.00%のもの以外は「ノンアルコール」として宣伝されていないのです。
これには酒気帯び運転の厳罰化などの流れがあってか、酒類の広告審査委員会をはじめ業界全体として自主的に規制をしていることが背景にあります。
ここで言う0.00%は厳密には0.005%未満であり、自然の果汁に含まれるごく微量のアルコールとほぼ同じくらいです。
したがって、どんなにお酒に弱い人でもノンアルコールドリンクを飲んで酔ってしまうということはまず考えられません。
ただし国内メーカーによる製品ではない輸入品等に関してはその限りではなく、アルコール度数0.5~0.9%で「ノンアルコール」と記載されている商品も存在するようなので、宅飲みなど自分たちでお酒を用意する場合には注意が必要です。
■時には断る勇気も大切
あまり気が進まないようであれば、飲み会への参加自体を断ることも必要です。
ただし毎回断ってばかりいるとつきあいの良くない人と思われたり、飲み会以外のイベントでも誘われにくくなってしまったりするかもしれません。
円滑なおつきあいを保ちたい場合、数回に一回くらいは参加しておくのが無難でしょう。
そうすると頭を悩ませなければならないのがお酒の断り方です。
最近は「パワハラ」「セクハラ」と並び「アルハラ(アルコール・ハラスメント)」という言葉も世間に浸透してきています。
強引にお酒を飲ませようとしてくる人はあまりいないと思いますが、先輩や目上の方から勧められるとなかなか断りにくいもの。
飲み会でお酒を注がれる前に対策をしておきましょう。
普段から飲めないアピール
言ってしまえば「根回し」です。定期的に稽古後に飲み会をするのであれば、最初から正直にお酒が飲めないことを話して周囲に知っておいてもらったほうがよいです。普段の会話で機会があればアピールしておきましょう。
このときに大切なのは「飲まない」のではなく「飲めない」のだということです。
「体質的にアルコールに弱く、飲むとすぐ具合が悪くなってしまう」「健康診断で肝臓の値が引っかかっているので飲めない」など具体的な理由も合わせて話しておくとたいていの人は理解してくれます。
飲み会では一滴も飲まない
「これおいしいから、ちょっとだけ飲んでみて」なんて勧められることがあるかもしれませんが、全く飲めないのなら無理をせず丁重にお断りするのがよいでしょう。
小さなコップ一杯程度でも飲んでしまうと「飲めないって言うけれど、本当はちょっとくらい飲めるじゃない」と思われて何度も勧められる可能性があります。
それでも勧められたら
常識的な人であれば上記のようにはっきりとお酒が飲めないと示している人に対して無理強いすることはありませんが、酔っている勢いもありしつこくお酒を勧めてくる、という人もいるかもしれません。
そういう人がいる場合はあらかじめ離れた席に座るか、酔いはじめたら極力距離を置くようにしましょう。
もしそういった人にお酒を勧められてしまった場合、一度お手洗いなどの理由をつけて席を立ち、戻ってきた時にさりげなく離れた席へ移動するのがよいでしょう。
■お酒は弱い…でも飲みたい!
悪酔いせずに飲み会を楽しむためには以下の対策をしましょう。翌日に酔いを残さないようにすることも大切です。
お酒を飲む前に
まず、やってはいけないのは空腹の状態でいきなりお酒を飲むことです。酔いが早くまわってしまいます。
お酒を飲む前に唐揚げや卵など高タンパク・高脂質な食品を摂取しておきましょう。
胃や腸でのアルコール吸収速度を抑えてくれます。飲み会の会場に入る前に、コンビニなどで牛乳を購入して飲んでおくのもよいです。
チェイサーを用意
チェイサーとは、強いお酒を飲む場合に口直しや悪酔い防止のために飲む水や炭酸水のことです。お茶やソフトドリンクでもかまいません。
アルコールの分解には大量の水を必要とします。お酒とチェイサーの割合は1:1くらいが望ましいです。
アルコールの分解を助けるおつまみ
いくらアルコールの吸収を遅くしても、摂取量に変わりはありません。できるだけ肝臓の働きを助けてくれるおつまみを選びましょう。
アルコールによってビタミンやミネラルが失われやすいので、海藻サラダなど野菜類の多いおつまみを積極的に食べるとよいです。
また、アルコールを分解する肝臓はタンパク質を必要とするため、焼き鳥や枝豆、豆腐などタンパク質が豊富な食材も選んでください。
果物に含まれる果糖にもアルコールの分解を助けるはたらきがあります。グレープフルーツジュースなど果汁が含まれるものを注文するのがいいでしょう。
いかがでしたでしょうか。お酒が苦手でも、飲み会の場を楽しくストレスなく乗り切っていきたいですね。
■まとめ
・ノンアルコールドリンクで雰囲気を楽しむ。
・事前にお酒が飲めないことを周囲に伝えておく。しつこく勧める人からは距離をおく。
・お酒を飲む時は、アルコールの吸収を抑える食品と分解を早める食品を積極的にとる。水もたくさん飲む。
いかがでしたでしょうか。
上述したような『アルハラ』という言葉が生まれたことからも伝わるように、一昔前に比べればお酒が飲めない人への理解は多少深まってきたように思えます。
しかし、お酒が好きな人からすれば皆で集まってワイワイ騒ぎたいところにシラフの人がいると気になる・・・という気持ちもわからなくはありません。
決して無理をせず、適度な距離感をもってお酒や飲み会と上手に付き合えるようになっておくと人間関係も円滑に進みます。ぜひご参考ください。