相手の先を取る!反射を鍛える4つの方法

相手の先を取る!反射神経を鍛える4つの方法 上達のコツ

一瞬のチャンスを掴むための力を磨く

反射神経

反射とは、外部からの刺激に対して脳を介さず反応する能力を指します。

(※一般的には「反射神経」という呼ばれ方が定着していますが、厳密にいうとそういった神経は存在しません。)

数多くのスポーツと同様、剣道にとっても反射はなくてはならない運動機能の1つです。

なぜなら相手の一瞬の隙を突く剣道において、いかに相手の動きに反応し次の一手を素早く打つことができるかが勝敗を分けるからです。

また相手から攻められた時も反射があればとっさに防御をすることができます。

そこで今回は自宅でも稽古場でも簡単にできる反射を鍛える4つの方法についてお伝えしていきます!

■鏡のトレーニング

鏡のトレーニング

反射を鍛えるには対象となる刺激(対象が動く)に反応することが必要です。

そこで2人1組になって行う「鏡のトレーニング」と呼ばれる方法をご紹介します。

このトレーニングを行うと、実践の試合で相手が攻撃をしかけようと動いた時に反応できるようになるので、合い面や出小手を狙う時などに効果を発揮します。

鏡のトレーニングのやり方

2人でペアを組み、相手と少し距離を置き向かい合わせに立ちます。

直立のままで相手は手や足を動かす動作を行います。相手と同じ動作をまるで鏡を見ているように自分がマネをします。

相手がどんな動作をするかは読めませんが、それを瞬時に判断してマネることで判断力と反射を鍛えることができます。

発展編

最初は相手が動かす腕や足を見ながらマネをすることになりますが、さらに反射を強化するなら「相手の目を見ながらマネをする」ことを心がけましょう。

剣道では相手を打つ場所の一点を見ては次の一手を悟られてしまいます。そのため対戦相手の目を見ながら試合をするのが鉄則です。

試合のように相手の目を見ながら全体の動きをマネすることで、身体全体で相手を知覚し反射できる能力が発達していきます。

■フィンガー動体視力トレーニング

フィンガー動体視力トレーニング

反射をよくしていくためには、まず目で動きを察知できる能力をつけることも重要です。それが動体視力と呼ばれる能力です。

動体視力をアップさせるには対象となるものを目で追うことが必要ですが、日常ではそのような対象が用意しづらいため、今回は自分でできる動体視力アップトレーニングをしていきます。

ここでは眼球を速く動かすトレーニングをすることで動体視力に必要な目の筋肉を鍛えていきます。

このトレーニングをすると相手が攻撃をしかけてきた時に防御することができたり、相手が速い打ち込みをしかけてきた時でも焦らず的を瞬時に見極め一本を打つことができるようになります。

フィンガー動体視力トレーニングのやり方

肩幅くらいに足を開き、両手をまっすぐ前に出し「前にならえ」のような体勢をつくります。

そのまま両手とも親指を一本のこして残りの指をまるめグーの形をつくります。この両手の親指を右・左と交互に目で速く追います。

ポイントは首を動かさずに眼球だけ動かすこと。左右に目を動かすことで眼球筋肉の運動になり、素早い動体にも注目できるようになります。

左右で1回として10回×3セット行いましょう。

発展編

発展編では両手をパーにして、親指から小指まで左右で順に目で追っていきます。対象物が多くなる分、難易度が上がります。

この時に指だけだと視点が定まりづらいので、例えば親指は青、人差し指は黄色、中指は赤、のように丸いシールなどを指につけて行うと目が対象をとらえやすくなります。

また誰かとペアになり「赤! 黄色!」というように色をバラバラに言ってもらい、その色をランダムに目で追うことでさらに動体視力は鍛えられます。

ぜひ発展させてトレーニングをしてみましょう。

■定規つかみトレーニング

定規つかみトレーニング

30㎝定規を上から落としてそれをつかむ、というゲーム感覚でできるトレーニングです。

もともと備わっている反射能力を測るトレーニングとしても有名ですが、これを応用発展していけば実際に反射を鍛えることもできます。

こちらは2人ペアで行うため、家族や友人と一緒にトライしてみましょう!

定規つかみトレーニングのやり方

2人1組で行い、A(定規を落とす人)とB(トレーニングをする人)に分かれます。

30㎝定規を用意したらAの人は定規の上を持ちBの人よりも30㎝ほど上に立ち定規を落とす準備をします。

Bの人はAの人が落とす定規をつかめるように手を準備しておきます。Aの人はタイミングを見計らって定規を落とします。

Bの人は定規が落ちないようにつかみます。定規が落ちる速度に反応できてないと、つかめないまま終わります。

逆に反応できた場合は、定規の上の方でキャッチすることができます。

発展編

まずは利き手(多くは右手)で定規をつかめるようになったら、次は利き手でない方(多くは左手)で定規をつかむトレーニングをします。

実際にやってみるとわかりますが、利き手でない方は思ったように手が動かせず定規をつかむことが難しいです。

こうした利き手と逆の手を使ったトレーニングをすることで普段使わない運動機能を活性化することができ、広い範囲の運動神経を鍛えることができます。

さらに難易度をあげるなら定規を15㎝にする、定規幅を細いものにするなど、つかみづらい状況をこちらがつくりだしトレーニングするとさらに反射が鍛えられますよ!

■モーション打ちトレーニング

モーション打ちトレーニング

試合で勝つには相手が攻撃に動いた時に、それに素早く反応し相手よりも早く打つことができれば一本にできる可能性は高くなります。

なぜなら相手が攻撃をしかけている時というのは逆を返せば無防備な状態だからです。

そこで相手がモーションをかけた時と同時に面打ち(素振り)を行うことで、反応を体に叩き込むトレーニングをしていきます。

モーション打ちトレーニングのやり方

二人一組で竹刀を持ち中段の構えをします。相手は面や小手を打つつもりで手を浮かせます。

その時打つ側は、相手が手を浮かしたと同時に振りかぶり面を打ちます(または素振りで止める)。

このとき相手側はいつ攻撃をしかけるか(面や小手を打つか)はわざとタイミングをずらすようにしましょう。

これができるようになったら地稽古のように気合を出し、剣先でせめぎ合いながらモーション打ちトレーニングを行います。

試合のような緊張感を持ってすると、敏感に反応することができます。何回も同じ動作を行い、出小手や合い面のタイミングを自分のものにしましょう。

発展編

発展編ではスピードをつけていきます。相手が手元を浮かせたら、すぐに面や小手を打つ動作をしてください。

受ける側はフェイントを使ってもOKです。その場合フェイントをしかけられても、打つ側は面や小手を打つ動作をしてはいけません。

フェイントと相手が打ってくるタイミングを見極めるのも反射を試合で活かすためには重要な要素です。

こうしたルールをペアで守りながらトレーニングをするようにしましょう。

■まとめ

・反射とは外部刺激に対して直接反応する能力で、剣道になくてはならない運動機能

・反射は脳を介さず動くことができるため、相手の動きにすばやく対応できる

・鏡のトレーニングやフィンガー動体視力、定規つかみなどで反射を鍛えることが可能

いかがだったでしょうか?反射神経とはトレーニングすれば身につけられるものです。

筋肉を強化するもの、動体視力を鍛えるもの、思考を養うものなど色々なパターンがありますが、くまなくトレーニングすることで効果は発揮されます。

毎日続けることで身体は意識を通さずとも反射的に体が動くようになります。ぜひトレーニングを積極的に習慣化していきましょう!