夏の暑さに立ち向かうためには
早いもので6月も半ばを過ぎ、梅雨が明ければもうすぐ夏がやってきます。
経験者にとっては身をもって実感されていることと思いますが、真夏の稽古の暑さは格別です。
全身に防具を着込んでいるため、唯一肌が露出しているのは顔だけ。それも面金で覆われているため、滝のように流れ続ける汗を拭くこともできません。
防具の下の剣道着は汗でびしょびしょになりますが、汗が蒸発する際に体温を下げてくれる気化熱作用が期待できません。
夏の剣道は発汗しにくく、熱が体内にこもりやすい身体になります。
そのため、剣道の場合はスタミナをつける食事とともに、火照った身体を冷やす作用のある食事が特に必要となります。
■夏の稽古に負けない食事おすすめ5選
剣道の稽古の夏バテ防止にお勧めする3つのポイントがあります。
2. 炭水化物はしっかりとって、筋肉中のグリコーゲン量を増やす。
3. 脂肪分の多い食材や揚げ物は他の食材の吸収を悪くするので極力とらない。
この3点に留意した夏バテ対策レシピをおすすめします。
■熱がこもった身体に【夏野菜と豚しゃぶのトマト煮】
豚肉はビタミンB1が豊富で夏バテ予防の優秀食材です。また、夏野菜は体の熱を排出してくれる役割があります。
体を冷やしてくれる代表食材のトマトで煮込んでたっぷり食べましょう。
1. 玉ねぎ1個・にんじん1本・なす2本・ズッキーニ小1本・ピーマン3個・しめじ1パック・ベーコン2枚を一口大の同じ大きさに揃えて切ります。
2. 刻んだニンニク大さじ1杯分を大さじ2杯のオリーブオイルでいため、野菜とベーコンも加えます。しんなりしたら蓋をして10分蒸します。
3. 水煮トマト缶2個分を【2】に加え、20分煮込み、塩を大さじ1杯半入れます。
4. しゃぶしゃぶ用の豚肉300gに塩を振って、下茹でしておきます。
5. 【3】で煮込んだトマト煮に豚肉を加えて10分煮込みます。
6. 粗熱が取れたら出来上がり。
■食欲が落ちている時の身体に【ミネラルたっぷり冷や汁】
冷や汁にはミネラル豊富なゴマがたっぷりと入ります。
体の熱を排出するきゅうりと、たんぱく質としての豆腐、香り付けのシソが食欲をそそります。水分も補給できます。
1. きゅうり2本を薄切り。シソとみょうがは好みの量を千切りに切っておきます。
2. 大さじ4杯の味噌にすりごま大さじ4杯を混ぜます。すり鉢やフードプロセッサーで混ぜれば、より一層おいしくなります。
3. 大きな器に水1.5リットルに味噌とゴマを溶き、豆腐一丁を手で崩しながら入れ、鯖缶を1缶、きゅうり・シソ・みょうがをいれて冷やします。
4. 少し冷ましたご飯にたっぷりとかけていただきます。
5. 茄子とピーマンの煮びたし・ひじき煮を副菜にすると夏野菜と鉄分が強化されます。
■クエン酸で疲れを取りたい身体に【冷やし梅肉うどん】
梅肉のクエン酸は疲れのたまった身体の乳酸を抑えてくれる働きがあります。弱った胃腸の働きもよくしてくれます。
鶏のささみは低脂肪高たんぱくの代表食材。スタミナをつける良質たんぱく質です。茄子が身体を冷やす食材です。
1. 鶏のささみ5本に砂糖と塩を小さじ1杯づつすりこみます。10分おきます。
2. 魚焼きグリルで茄子2本を黒くなるまで上下をひっくり返しながら焼きます。焼けたら皮を剥き、一口大に切っておきます。
3. 鍋にお湯1リットルを沸騰させ【1】の鶏のささみを入れて火を止めて蓋をします。10分経ったら蓋を取り、自然に冷まします。
4. 冷めたささみを手でほぐします。ほぐしたささみに梅干しの果肉3個分をあえます。
5. ゆでて冷やしたうどんに、ささみの梅肉あえ、焼き茄子、刻んだシソの葉をトッピングします。
6. めんつゆをかけて出来上がり。
7. マグロの納豆和えとトマトときゅうりのサラダを添えると、たんぱく質と体を冷やす食材が増えて栄養価がアップします。
■スタミナをつけたいけど麺が食べたい身体に【ジャージャーそうめん】
豚肉はビタミンB1が多く含まれており、最強の夏バテ防止食材です。
ニンニクとニラを入れてビタミンB1の効果を高めます。きゅうりが体を冷やす食材です。
1. ニンニクとショウガをそれぞれ1片を刻み、唐辛子を好みの量入れてフライパンに入れます。ごま油大さじ1杯を入れ火にかけます。香りが立ったら豚のひき肉を入れて炒めます。
2. ひき肉の油が出てきたらキッチンペーパーで拭き取ります。火が通ったら、刻んだニラ一束を入れて少し炒め、しょうゆ大さじ3杯、みりん大さじ2杯、砂糖大さじ1杯、酒大さじ1杯を入れ、5分程度煮詰めます。
3. ゆでたそうめんを深めのお皿に盛り【2】のひき肉を真ん中に盛ります。きゅうり2本を千切りにして、ひき肉の周りにトッピングして出来上がりです。
4. 冬瓜とトマトの澄まし汁・たこと枝豆とコーンのドレッシング和えで栄養価をアップできます。
■しっかりたべたい身体に【鶏むね肉のチャーシューと体の熱を排出するおかず】
鶏の胸肉はイミダペプチドという成分がスタミナをつけてくれます。
低脂肪高たんぱくな食材としてアスリートには欠かせない食材です。チャーシューはゆで汁につけておくとしっとりと仕上がるので、稽古に行く前に仕込んでおくと稽古後の食事にちょうど良い味になります。
きゅうりとわかめの酢の物で、体内の熱をとり、乳酸を排出させましょう。
1. しょうゆ150㏄・みりん150㏄・酒50㏄・水100㏄・砂糖大さじ3杯を合わせておきます。
2. 鶏むね肉2枚を深めの鍋に敷きつめる。【1】のたれをむね肉がしっかりと浸るまで入れます。
3. 【2】にショウガ一片を入れ火にかけ、沸騰して5分たったら上下を返します。
4. 5分煮込んだら火を止め、蓋をして15分蒸らします。冷めるまで放置するとしっとりしたチャーシューになります。暑い日は、流水や氷水などで粗熱をとって早めに冷やし、食べるまで冷蔵庫に入れておきます。
5. キャベツの葉5枚程度を千切りにしてお皿に盛ります。
6. キャベツの上にスライスしたチャーシューをのせ、たれをかけます。トマトを添えましょう。
7. もやしとニラの中華スープ・きゅうりとわかめとしらすの酢の物を足してバランスよい食事にします。
■まとめ
夏の剣道の稽古は、こもった熱がなかなか取れずに眠りにもつきにくくなります。
日々の稽古のためにはスタミナもつけないといけませんから、消化が良く油や脂肪の少ないレシピでたんぱく質をしっかりとるのも大事です。
体の熱を排出する夏野菜をこまめに取り、出汁やスープで水分も補って夏の稽古を元気に乗り切りましょう。