迫りくるライバルを蹴散らして日本勢を支えた松本の快進撃
18年ぶりの日本開催となり、日本武道館で行なわれた第16回世界剣道選手権大会。
男子団体決勝は前回までと同様に日本対韓国の死闘が繰り広げられたが、女子が男子以上に紙一重の勝負を展開した。
とくに日本の王座が揺らいだのは女子個人だった。
数字で見ると日本選手と韓国選手の対戦は6試合あって3勝3敗。
その3勝はすべて松本弥月(神奈川県警)があげたもので、他の選手は韓国選手に勝てなかった。
川越愛(兵庫県警)はウォン・ボギョンに準々決勝で敗退。田山秋恵(大阪府警)は3回戦でホ・ユニョンに敗退した。
そのホは準決勝で微妙な判定ながら前々回のこの部門覇者である鷹見由紀子(順天堂大教員)を下している。
もう一方の準決勝でウォンを下した松本とホの決勝となった。
ウォン、ホともに上背もあり、鍛えられた身体能力の高さを感じさせる戦いぶりだった。
迎えた決勝、日本選手の中では長身の松本よりも上背のあるホに対し、松本は持ち前のたたみかけるような攻撃を繰り出せず、つばぜり合いが長く続く。
延長に入っても同じような展開となるが、両者が意を決したようにひきメンを放つと、松本のメンが有効となった。
日本が松本の獅子奮迅の活躍でなんとか王座を守った。
審判は相変わらず不安定で判定に泣かされた面もあるが、一つの判定、一つのミス次第でいつ日本選手が敗れてもおかしくないほど、韓国との差は縮まっていた。
女子団体戦は個人戦を終えた後すぐに行なわれ、めまぐるしくポジションを入れ替えながら松本は団体戦にも出場。
大将をつとめた決勝は松本まで回らずに日本の優勝が決まったが、両部門で大黒柱としての輝きを見せた。