練習に動画を活用する
剣道の稽古といえば道場に通って先生や仲間と共に行うものですが、時間がなくてなかなか道場に通えない・・・という方も少なくないでしょう。
一人で行える範囲の稽古は限られていますが、そんな中には現代ならではの稽古方法もあります。
■スマホで見る剣道動画
近年はスマートホンやタブレットに動画撮影用のカメラが標準搭載されていたり、「youtube」や「ニコニコ動画」など、動画コンテンツを手軽に配信する手段が一般化したことにより、個人で撮影した動画をアップロードする人が大幅に増えました。
剣道の分野においても例外ではなく、道場・団体のPRや剣道そのものの普及を行う意味から個人の剣道家による稽古風景や、動画視聴者へ向けた指南などを収めた動画投稿が増えてきています。
一昔前まではなかなか見ることができなかった上級者の練習風景や達人と呼ばれる人たちの技を解説した映像などは勉強になりますし、何より剣道好きな方なら純粋に気になるでしょう。
これらを見ながら、道場に通えない時でも見取り稽古を行えるようになるというわけです。
■自分の動きを撮影する
剣道で上達するためには、自分の動きなどもしっかり確認しておく必要があります。ただ、自らの動きは自分自身では確認できません。
試合中や練習中に、先生や仲間から動きを指摘された人もいるはずです。自分では普通に動いているつもりなのに、他人から指摘されると戸惑うこともあるでしょう。
人間というのは、自分の動作を客観的に把握できません。大まかなことは分かるかもしれませんが、細かい点の把握は難しいものです。
そこで自分の動きを見るために自分の剣道動画を撮影することで、良い点の確認や悪い点の改善ができます。
そのため、動画撮影は自身の動きをを客観的に捉えることにとても効果があるのです。
撮影方法は様々です。デジタルカメラやビデオカメラでもいいのですが、近年はスマートホンやタブレットなどでも撮影画質がかなり向上しているため、キレイにとることができます。
スマホは常に持ち歩いている人がほとんどだと思いますので、利用しやすいという面もあります。
撮影した動画を確認する際には、先生や仲間と一緒に見てもらうとより効果的です。
自分自身では意識していない部分に良くない点があるわけですから、その点を指摘してもらいながら確認することにより、更に理解を深めることができます。
また、自分の稽古の様子を撮影した動画をSNSや配信サイトなどにアップロードすることで、身の回り以外の多くの人からアドバイスをもらうこともできるでしょう。
世界中の人に自分の稽古を見てもらうことになるので勇気はいりますが、それまで気付けなかった注意点を指摘してくれたり、得られるものも大きいかも知れません。
■写真・動画撮影時の注意
あくまで邪魔にならないように
スマートホンやカメラなどを用いて撮影する場合、撮影画面に気をとられすぎて周囲への注意力が低くなりがちです。
稽古をしている他の人の邪魔にならないよう、なるべく離れたところから撮影するなど、配慮が必要です。
また、近づきすぎて稽古している人や他の人とぶつかったりしないよう気をつけましょう。
プライバシーの尊重
道場で稽古をしている他の選手が映り込んだり、その場にいる人達の顔をハッキリと映してしまうことは、人によってはあまり好ましくないという場合もあります。
撮影相手が知り合いであれば、SNSや動画配信サイトなどにアップロードする前に掲載しても良いかどうかあらかじめ確認してみましょう。
もし確認が取れない場合は、映した相手が特定されるくらい明確に顔や全身を写した画像や映像をインターネット上にアップロードするのは控えた方が良いでしょう。
なお、肖像権・プライバシー権の観点からいうと「個人を特定されない程度」であれば、肖像権の侵害にはあたりません。
具体的には顔が判別できないくらい距離が離れていればおおむね問題ないとされています。しかし映っている当人への配慮はくれぐれも忘れないようにしましょう。
また、自分自身を撮影してインターネット上にアップロードする際も、くれぐれもリスクを踏まえた上で投稿することを意識しておいて下さい。
写真や動画をSNS、動画サイトなどインターネット上にアップロードする際、個人情報を特定できるもの(住所・電話番号などが記載されているもの)やある程度判別できそうなものが映りこんでいると自身の住所を特定されてしまうなど、非常に危険です。
撮影時にそれらが映らないようにするか、アップロード前にプライバシーに関わりそうなものは編集で消しておくなど、細心の注意を払いましょう。
フラッシュを炊く際の注意点
カメラによる写真撮影の場合、屋内だと光量不足のため自動でフラッシュが炊かれる場合があります。
強い光が発せられると稽古をしている人達の妨げになってしまうため、カメラ撮影を行う時はその旨を道場内の人達にあらかじめ伝えておくか、フラッシュが動作しない設定にしておきましょう。
大会での動画撮影はOK?
大会によっては、試合内容を撮影してインターネット上にアップロードしたり、あるいは個人による撮影そのものを禁止していることがあります。
そのような場合は事前に撮影の可否についてアナウンスが行われることが多いですが、気になる方は事前に大会係員の方に問い合わせてみても良いでしょう。
■まとめ
・剣道の稽古や試合を収めた動画を観て自分の動きの参考にする
・自分自身の稽古を動画撮影し、自分や他の人(先生など)に見てもらって改善に繋げる
・撮影した写真や動画をインターネット上に投稿する際はプライバシーに気をつける
現代ならではの上達法の一つとして、動画を活用するという考え方の提案でした。
インターネット上に動画を投稿する際は気をつけなければならない点も多いため、それらを強く意識した上で有効に活用してみましょう。