“見えない”要素で勝負を制する
良い成績を上げるためには、身体能力や技術といったフィジカル面以外の部分も重要となります。
具体的な要素の代表格といえば「集中力」と「勘」が挙げられます。
これらはフィジカルに依存する能力と違い、具体的に測れるものではありません。どのようにして鍛え、養えばよいのでしょうか。
■集中力の関係
集中力を高めるのとても大事です。練習のときはもちろん本番の試合までにどれだけ集中して取り組むことができるか、これが大きなポイントです。
そのためには、集中できる環境作りも大切です。日頃から練習や試合に集中できない方は、まずはその原因を追求してみましょう。
原因が分かれば、後はそれに合った方法を実践すればいいのです。
集中力に欠ける原因としては、まず「考えすぎ」が挙げられます。「どうすれば試合に勝てるのか」、「他に良い方法はないか」など、つい色々と考えすぎてしまう人がいます。
練習中や試合中、また日常生活でもひとつのことばかりを考えていると、大切なことに集中できなくなります。それでは将来の成績にも影響してきますので、日頃から考える癖がある人は注意しましょう。
様々な情報が気になるその気持ちも分かりますが、それらはあくまで情報にすぎません。大切なことは自分自身の信念ですので、自分を信じて取り組むようにしてください。
他のことは何も考えず、目の前の目標に向けて取り組むことで自然と集中ができるようになるでしょう。
また目標を多く設定することも、原因の1つと考えられます。
確かに目標設定は大切ですが、あまり多くなると考えが分散されて集中できなくなります。そのためまずは、自分にできる最短の目標を明確にすることから始めましょう。
目の前の目標に集中し、それが達成できたら次の目標へと、ステップアップしていきましょう。まずは1つの目標に集中させることが大切です。
■集中力を高める”瞑想”
集中力を高めるための手段として瞑想が効果があると言われていますが、実際のところはどうなのでしょう。
瞑想というのは、目を閉じて座ったままで精神を集中させる行為です。瞑想することで雑念を消し、最終的に無念無想の境地に至ることが目的です。
稽古の前後に行う黙想とは異なり、瞑想は何も考えずに精神統一を行いますが、以下のような効果を得ることができます。
集中力が高まる
瞑想を行うことで頭の中がスッキリし、物事に集中できるようになります。
このような効果は瞑想中や直後だけに留まらず、それ以降も継続して実感できます。てすので稽古や試合も、集中してできるようになるのです。
いつも集中力に欠ける方は試合の前に瞑想を行うことで、落ち着くことができ周囲の状況が見えるようになります。そのため試合も集中して望めるはずです。
瞑想によって思考を目の前に事柄に向けることができ、自然と物事に集中できるようになるでしょう。
ストレスの軽減
瞑想を行うことで心拍数が低下し、血圧が正常に作用してきます。その結果、呼吸が落ち着いてリラックスできるようになります。
そしてストレスホルモンも減少していきますので、試合もリラックスした気分で取り組めます。
疲れにくい体にできる
瞑想することで、疲れにくい体になります。
瞑想という行為は睡眠によって得られる休息と比べて、より高いレベルの休息を取ることができます。そのためこれまでに蓄積された疲労も、徐々に改善していきます。
試合前に瞑想を行えば、より条件の良い状態で望むことができるでしょう。
瞑想を効果的に行うコツとしては、瞑想の邪魔になるような要素(電話、テレビ、外の雑音)をなるべく自分の目や耳に入らないようにして、慣れていないうちは短い時間でやってみるということです。
たとえ短い時間であっても、途切れることなく瞑想をすることができれば、時間をじょじょに長くしていくことでより深く瞑想をすることができるようになります。
■勝負勘
集中力も大事ですが、相手に打ち勝つ際に大きなポイントとなるものが「勘」です。
試合でピンチになったとき、勘を働かせることで流れを自分の側に呼び寄せることもできます。
ここでの勘は、要するに「目では見えないものを見抜ける力」のことを言います。
そのような力は何もせずに身につくものではなく、日頃からの練習によって養われていきます。
もちろん生まれつき身についている人もいますが、日々の稽古で身につくことが多いです。
目に見えるものや耳で聞こえるものは誰でも追いかけたりできますが、それだけではどうしても限界が出てきます。
勘というのはそれ以上のものであり、誰も真似できない自分だけの能力と言っても過言ではありません。
勘が鈍い人は、相手の隙を見つけた瞬間には既に倒されています。勘があれば相手の隙を見つけることができ、すぐに反撃できるのです。
このような能力は、やはり日頃の稽古で身につけるしかありません。毎日行う、一つ一つの稽古を大切にし、しっかりと考えながら取り組むことで自然と身についてくるのです。
勘が冴えないと実感している方は、今日からでも遅くはありませんので練習を重ねましょう。
■まとめ
集中力も勘も、数字で測ることのできない力なので鍛えるのは簡単ではありません。しかし、これらを養い、実戦に生かすことができれば、実力以上の力を発揮することも不可能ではありません。
心と体両方共にバランスよく鍛えることができれば、より上のパフォーマンスを発揮することができるでしょう。