初心者がまず知っておきたい基礎知識。一体どんな競技なの?

歴史を交えながら剣道を知っていく
防具をつけて、声を出して、竹刀で打ち合う、なんてことは誰でも知っていることですが、剣道はとても奥の深い競技。 これから始めるという方に基礎中の基礎のことを歴史をまじえてご紹介していきます。
剣道を知る

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日本古来の武道・剣道とはどういうもの?

■剣道のルーツは?

武家の文化が剣道の起こり

剣道の起源。それは武士達が刀で合戦中、身を守るために刀を扱う技術(剣法・剣術)を生み出したことに由来する。

歴史の中で、侍による社会、つまり武家社会が成立しすると、戦(いくさ)で功績を上げれば出世に繋がるようになり、刀の技術を磨くことが重要になっていきます。その過程で色々な剣術の流派が生まれていきました。これが剣道のルーツになります。

江戸時代に入ると、天下泰平の世の中での剣術は万人の人間のために活かす「活人剣」となり、人間として精神を鍛えて人間形成を醸成する方法として現在の剣道の基礎となる思想を形成していきます。

この影響により学問として側面が強くなり、怪我のない練習ができるよう「刀の代わりにとなる竹刀」「甲冑の代わりとなる剣道防具」が開発されました。江戸末期頃には、現在と同じような試合が行なわれた記録がありますね。

江戸末期より前の竹刀は、現在の形のもとは違う袋竹刀というものでした。それまでは木刀を使って木刀を使って相手にあてずに行ったり、仮あての「形(型)稽古」であったものの、やはり事故率は高かったようです

■剣術の広がり

剣術の隆盛で流派は広がっていた

竹刀による剣術の稽古が確立され、色々な流派(700以上ともいわれる数の流派があったそうです)と道場における試合も行われるようになって、ますます剣術の人気は拡大した。

愛洲移香(あいすいこう)
陰流という流派になりますが、ここから派生して新陰流や一般的に柳生新陰流と呼ばれる流儀が生まれています。柳生宗厳の五男である柳生宗矩が、江戸にこの流派を引き継ぎ、柳生新陰流として将軍家にも取り上げられました。陰流は比較的政治色の強い流派として知られており、メジャーな系統とされています。
飯篠長威斎(いいざさちょういさい)
こちらは香取神宮と縁のある流派ですが、香取と並ぶ武の神である鹿島神宮が中心となった鹿島の太刀の流派もあります。
中条兵庫頭長秀(ちゅうじょうひょうごのかみ)
中条兵庫頭長秀が創始した、中条流が源流になったものです。この系統は現代剣道の技術に大きな影響を及ぼしたと言われています。

多くは上記の三大源流と呼ばれるものから派生したものになり、明治時代にも流派が残っていましたが、維新後には武士階級が廃止なり、刀も禁止され道場や剣術も下火になってしまいます。

ところが西南戦争において抜刀隊が活躍したことで剣術が再度見直され、この影響により警視庁を中心に道場が設置されていき、剣術文化の復活の流れがはじまります。

■武道統括組織の登場

武道統括組織の登場は、現代への剣道の流れを作った

明治28年に統一組織である「大日本武徳会」が誕生したことで、試合規則の整備が始まり剣術はひとつになる一方で、徐々に流派の色は薄まっていくが、現代の剣道の基礎となる。

大正初期には、「武」本来の目的に適合した剣術という語を「剣道」とあらためられ、日本武士の精神に基づく「武道」であると説き統一されていたようです。

そして戦後に創立された全日本剣道連盟のもとで昇段審査が行なわれるようになり、試合も全日本剣道連盟のルールに則って行なわれていくことになります。

たしかに全日本剣道連盟とは別に「日本剣道協会」のような、打撃や投げなどが有効なルールを推奨している団体も存在していますが、それらは流派とは異なります。

また、昔ながらの流派を「形稽古」として伝え、実践している人たちもいます。これを一般に古武道、古流剣術と呼びます。

違いはあるものの、競技を通じて精神を鍛えるということには変わりありませんし、伝統を重んじていることについての精神性も同じですね。

■時代に翻弄された部分も

戦後・占領下の日本での一時期は、武道が禁止されたこともあった

昭和になり、太平洋戦争に敗れると武道が日本を軍国国家にしたと思われてしまい日本を占領していたGHQが、剣道・柔道・弓道などの武道を全面禁止にしてしまう。

戦後に、一時期禁止されていたものの、GHQはフェンシングをスポーツとして認めていたので、剣道をフェンシングに近いものとして竹刀を改良したり、フェンシングの防具を付けたりして、スポーツとして復活させており、全面的にできなかったわけではないようです。

昭和27年になるとサンフランシスコ講和条約の発効で、GHQの占領が解かれると同時に全日本剣道連盟が設立され復興して、現在の試合・審判規則の原型が成立していくことになります。

それから半世紀以上をかけて、剣道は世界各地に愛好者を持ち、幅広い年齢層に普及するようになっています。

■剣道の形成する具体的な要素

剣道を形成する要素は簡単に4個

具体的な剣道を「する」という要素はどういったものか。試合や稽古、そして段位。そこに至るまでに用意するものなど、意外に必要なものも多い競技です。

剣道具

基本的に面・胴・小手・垂のフルセットとなる防具に、防具の下に着る道衣と袴、そして竹刀になります。稽古用・試合用といった場面ごとの複数個所持することや、鍔・鍔止め、紐といった小物類、道具袋などの袋類も欠かせず点数にはそれなりになります。

メーカーもそれに対応したものを販売しているので、専門店は多いほうではないでしょうか。インターネット購入でも揃えることができるので、意外にすんなり道具類は手に入れることができるでしょう。種類も結構ありますので好みのものを探すのも楽しいでしょう。

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稽古

稽古では、素振り、切り返し、打ち込み稽古、かかり稽古、互格稽古などがあります。そして練習試合を多く行い、その中で他の人の稽古や試合を見て勉強する「見取り稽古」もとても大切です。

稽古着、袴に木刀だけを用いた形の稽古もあります。大正元年に定められた大日本帝国剣道形を引き継いだ日本剣道形は、昇段審査の科目にもなっており打太刀、仕太刀と呼ばれる二人が一組になり、太刀、七本、小太刀、三本の計十本の技を行ないます。

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試合

簡単に言えば一本を取ると勝ちになります。

試合には個人戦と団体戦があり、ルールもあります。団体戦は一般に、1先鋒、2次鋒、3中堅、4副将、5大将の5人1組で、戦い、三人勝ちを挙げた団体が勝者となりますが、勝者が同数の場合は得本数で勝敗を決することもあります。また人数は5人制だけでなく、3人制や7人制、あるいは対抗戦形式でもっと多くの人が対戦する形式もあり、柔軟な仕様です。

試合は一般に三本勝負で行なわれ、小手、面、胴、突きのうち、二本先に取った方が、勝者となりますが、勝敗が付かない場合は延長戦に突入することも。さらに大会によっては一本勝負で先に一本を取った方が勝ちという形式もとられます。

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段位

剣道は段級位制です。そのため審査もあります。最高位で八段になりますが、昇段には定められた修業期間等がないと受験資格が生まれない厳しい審査過程が設けられています。

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■「道」という高い精神性をもった競技が魅力

剣道は精神性も高い競技

各道場の師範の誰もが語る「礼に始まり礼に終わる」という言葉に表されるように、たとえ激しく戦い、その先に勝ち負けがあったとして相手に対して敬意を必ず払う礼儀があります。そんな日本らしさを強く残しているのも良いところ。

整備された競技規則のもとで勝敗を競い合うという意味で考えてみれば、剣道もスポーツのひとつと考えることもできるのですが、「心」「技」「体」が揃って、初めて剣道という競技になります。

体を鍛えるだけではなく、肉体と精神の両方を鍛錬することが必要ということですね。

その鍛錬する姿勢、日本発祥の武道の「道」を追い求めるのは「そのものを極めて愚直に突き進む」というひたむきさです。だからこそ国内外の老若男女を問わず人気のある武道なのかもしれませんね。

もし興味を持たれましたらあなたもぜひ始めましょう!

この記事は、過去の掲載記事を加筆しています。
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