脚力アップで踏み込みが強くなる?
突然ですが、踏み込みは得意ですか?
上手な人の踏み込みはパンッ!とキレがある小気味がいい音がしますよね。ベテランでもなかなか上手くいかなくて…なんて人もいます。
踏み込みはかかとからではなくつま先から、もっと言えば足全体を同時に下ろすのがポイントです。
そう口で言うのは簡単ですが、いざ実践してみると上手くできないんですよね。
良い踏み込みがなかなかできないという人はもしかすると踏み込みに必要な筋肉が身体についていないのかもしれません。
踏み込みの改善を意識した筋肉づくりをすると、目に見えて踏み込みが良くなるかもしれませんよ。
そして、踏み込みの力を強くするには、実は陸上競技のトレーニングを取り入れるのが近道。
剣道も陸上も脚力を重視する競技です。
ということは陸上競技のトレーニングで鍛えられる筋肉のなかには、剣道でも必要な筋肉ということが少なくありません。
■踏み込みには足裏や太ももの筋肉が肝心
剣道、陸上競技どちらでもおなじみの筋トレといえばスクワットです。
スクワットで鍛えられる筋肉といえば太もも。剣道をしている人の太ももは軒並み立派な筋肉がついていますよね。
「太ももの筋肉ならもう充分ついている」と思っている人は多いかもしれません。
しかし、一見立派な太ももをしていたとしても踏み込みのために必要な太ももの筋肉がしっかり鍛えられていないということもあり得るんです。
踏み込みのコツは足の指や足裏全体で力を込めて地面を踏むこと。そのためには足の裏の筋肉を鍛えることが肝心です。
でも足の裏の筋肉なんて、具体的にどうやって鍛えたらいいか判りませんよね。
実は陸上競技の世界でも、最先端の指導方法を取り入れている指導者や選手が足の裏の筋肉が大切だと考えています。
考えてみればしっかりと地面を踏むことが重要という点は剣道と陸上競技の大きな共通点です。
足裏の筋肉がしっかりしていれば、自然と良い踏み込みにつながっていきます。
さらに素足の競技剣道では足のトラブルがつきものですが、足裏の筋肉が付くことで防げる故障もあります。
しかし、実際のところどんなトレーニングをすれば良い踏み込みにつながる筋肉が付けられるのか、気になりませんか。
次の項目からは、踏み込みの威力アップにつながる具体的なトレーニング方法を交えて紹介します。
■踏み込みの力アップ!足裏の筋肉を鍛えよう
足裏にも筋肉があること、そして筋肉があるからには鍛えられることって、考えてみれば当然ではありますがなかなか盲点ですよね。
しかし前述したように足裏の筋肉を付けることでしっかり地面をつま先で捉えることができるようになります。
足裏を鍛えれば踏み込みの威力が格段にアップすること間違いなし。とはいえ、足の裏の筋肉は意識しなければしっかり鍛えることは難しい場所です。
そこで陸上競技者向けのタオルギャザーと呼ばれる運動をおすすめします。
タオルギャザーの方法
1. イスとフェイスタオルを用意する。
2. イスに座り、タオルを床に広げる。タオルを足の指でたぐり寄せる。
足の指でタオルを引き寄せるだけのシンプルな動きですが、毎日15回程度行えば確実に足の裏の筋力はアップします。
ポイントはかかとを床につけたままで上げないこと、タオルの端から端までしっかりたぐり寄せることです。
また、足の小指まで動かすことを意識して動かしましょう。
このタオルギャザーに慣れてきた人は、タオルを寄せたタイミングでタオルを足で掴んだまま足首を上げ下げしたり、立ったままタオルギャザーの動きをしたりするとさらに負荷がアップします。
トレーニングの時間をこれ以上取ることができないという人は、普段履いている靴下を五本指ソックスに切り替えるのも手です。
五本指ソックスにすると足の指できちんと地面を踏みしめる習慣が付きます。また普通の靴下よりも足の指の自由度が上がるので、たまに靴を脱いで足の指を動かすだけでも人によっては変化があります。
最近は健康志向でビジネス用ソックスの五本指靴下や、柄が可愛い五本指靴下も販売されています。
普段使いに五本指靴下を取り入れるだけで踏み込みの力が強くなるならとっても手軽ですよね。
また、家でスリッパを履いている人ならスリッパを布草履に切り替えるのもおすすめです。
布草履とは字のごとく、底の部分も布で編まれた草履のこと。
慣れるまでは違和感があるかもしれませんが、履き慣れればスリッパよりも履き心地がよく感じるという人も多いんです。
■踏み込みの力アップ 太もも裏の筋肉を鍛えよう
踏み込みの力をアップさせるためにもうひとつ欠かせないのは太ももの筋肉。
でも闇雲に太ももの筋力をアップさせればいいというものではありません。
踏み込みにとって要となるのは、太ももの裏側にあるハムストリングスという筋肉です。
踏み込みの時、足を前に出すのではなく、太ももを後ろに引き、地面を蹴って速度と威力を出しますよね。
ハムストリングスはまさに太ももを後ろに引くための筋肉なんです。陸上競技でも早く走るためにハムストリングスをしっかりと鍛えます。
普通のスクワットも陸上競技で取り入れられているのですが、普通のスクワットでは太ももの表側の筋肉にも負荷が掛かり過ぎてしまうのが玉に傷。
そこで、陸上選手もよく取り入れているブルガリアンスクワットというハムストリングスに特に効くスクワットをおすすめします。
ブルガリアンスクワットの方法
1. ベンチもしくはイスを用意する。座面の高さは自分の膝裏~ふくらはぎのあたりのもの。
2. ベンチに片足のつま先~足の甲を乗せる。もう片方の足は半歩程度前に置く。前方の足の膝が90度になるまで腰を落とす。
ポイントは前に置いた足の膝が90度になるまでしっかり曲げて腰を落とすこと。また背筋はまっすぐに保ちましょう。
立ちあがる時にはおしりの筋肉を使って持ち上げるような感覚ですると効果がアップしますよ。
ハムストリングスは短距離走でも鍛えられます。陸上競技のトレーニングどころか、陸上競技自体を剣道のトレーニングとして取り入れてみてはどうでしょうか。
■まとめ
・強い踏み込みを実現するのに必要な筋肉は太ももと足の裏
・踏み込みのコツは足の指や足裏全体で力を込めて地面を踏むこと
・足の裏を鍛えるにはタオルギャザー、太ももを鍛えるにはブルガリアンスクワットが効果的
繰り返しになりますが、陸上競技と剣道には意外にも共通点が多くあります。
剣道で重要になる筋肉は陸上競技でも大切だとされているものが多いんです。
その中でも特に足の裏の筋肉とハムストリングスは重要。闇雲に鍛えるのではなく、陸上競技のトレーニングを取り入れて効率的に筋力アップを図りましょう。