剣道における”呼吸”と”自然体”の関係って?

上達のコツ

正しい姿勢、いわゆる自然体が剣道では必要です。
そのような正しい姿勢を保つためには、肩の使い方にも注意する必要があります。自然体の姿勢をするには、肩の力を抜くことが大切です。そしてヘソの下部辺りにある丹田に力を込めて立つと、自然体な姿勢になることができます。

自然体の姿勢になるには肩の力を拭き、呼吸法をしっかり行うことが大切です。

■呼吸の関係

スポーツでは呼吸が重要だと言われていますが、それは剣道でも同じです。力をより強く伝えるため、素早い動きを行うため、呼吸に合わせて動くことは自身の本来の力を引き出すことにつながるため、より高いパフォーマンスを発揮するためには必須のものとなります。

剣道では、相手の呼吸を見ながら打ち込むことが大切です。相手に隙を見せてしまうとやられてしまいますので、呼吸法でしっかり対策する必要があります。
相手に隙を見せないためには、できるだけ長くゆっくり息を吐いて、ほんの一瞬の間で吸うことが大切です。そして相手が息を吸っているタイミングを見計らって、打ち込むのです。

初めのうちはどのように呼吸を合わせていけばよいのかが掴みづらく、難しさを感じることも多いことでしょう。
ですが練習の繰り返しにより意識せずともスムーズな呼吸ができるようにもなっていきます。また、相手の呼吸を感じ取って自分の動きのタイミングを計ることもできるようになります。

相手と対峙する際には体全体を観察し、呼吸と共に繰り出される動きを感じ取ってタイミングを探ってみるのも効果的な戦術でしょう。

■丹田呼吸法とは

呼吸には様々な方法がありますが、剣道では丹田呼吸法を行います。

丹田呼吸というのは、腹部のヘソ奥の腰骨より少し上の部分を中心に、大きく腹式呼吸をする方法です。そしてこれを思い切り膨らませます。
丹田呼吸を行うことで腹膜が広がっていき、肺活量も増えてきます。さらに腹に空気がたくさん溜っていることから、姿勢も良くなってきます。
また呼吸をしっかり行うことで、無理にあごを引いたりする必要もなくなります。

姿勢が良くなりますので、自らの体勢を意識することなく相手と向かい合うことができます。

丹田呼吸を行うことで、どのような強い相手に対してもその動きがよく見えるようになるという効果も得られます。

■自然体の構え

自然体の構えになることで、練習や試合にも集中できるようになります。この場合は、肩甲骨を意識するといいでしょう。
肩甲骨を意識しながら腕を後ろから前に向けて大きく回し、腕の前の位置で両手を合わせてください。

このとき肩甲骨を意識すると徐々に肩の力が取れていき、背筋や首すじなども伸びるようになります。ただこのときは下腹部にも力が入ることが多いので、呼吸法で改善していきましょう。

■肩の動かし方

肩甲骨周りの筋肉の柔らかさはどんなスポーツでも重要です。肩甲骨を上手に動かせるようになることで、腕の力を伝えやすくなりますし、肩の可動域が広がり柔軟な動きにも対応することが可能となります。

通常、柔軟体操では股関節を含め下半身に目がいきがちですが、肩甲骨を意識した運動も合わせて行うことをお勧めします。肩甲骨・肩が上手に使えるようになると、より自然体な動きができるようにもなります。

自然体の状態になることができれば、竹刀も振りやすくなります。このときも肩の力を抜き、息を吸いながら後から前に腕を持っていくといいでしょう。