基本を押さえよう!
剣道を極めるには、基本をしっかり押さえておく必要があります。これは剣スポーツ全般に言えることですが、その道で上達するには基本が重要です。
基本動作と言えば、竹刀や木刀を使用した打突動作になります。
・左手は押し手、右手は切り手
・左手で素早く押し上げる
・振りかぶる際は、打突部位よりも左手を上にする
・刃筋を正しく打つ
・気剣体を一致させる
剣道では基本動作が大切になり、この動作ができていないと応用動作を仕掛けるのも難しいと言えます。
しかし、正しい基本が身についていれば、たとえ年齢を重ねていても勝つことができます。
相手に打ち勝つためには、まずは打突動作をしっかり学び、無理や無駄を取り除くことが大切です。
■五行の構え
構えには5種類あります。「上段の構え」「中段の構え」「下段の構え」「八相の構え」「脇構え」がその5種類です。
試合で、どれを使ってもよいかというと不可です。基本は「中段の構え」から始まり、高校生くらいまでで適用されるのは「上段の構え」くらいです。
基本ができてから、身長が高いと先生に上段をすすめられることもあります。
攻めの強い姿勢になりますから先生の指導に従って構えを身につけましょう。
5種類の構えは昇段審査を受けていくうちに、日本剣道形(木刀での審査)で身につけていくことができます。
■「攻防一致」の中段の構え
では、なぜ中段の構えが基本なのでしょうか
構えとは、相手と対峙しているときの姿勢ですが、攻めてもいるし、守ってもいる状態でなくてはなりません。
中段の構えは、その攻めも守りも両方を備えた構え方なのです。
中段の構えをしているときは、実は相手と中心の取り合いをしています。
隙を見せない完璧な姿勢になるのが、中段の構えの理想です。中心がぶれて中段の構えにゆるみが出ると、隙ができて打たれます。
■中段の構えを身に着けるコツ
中段の構えをしっかり身につけるには、最初は一本一本打つ前に必ず構える余裕を持ちながら打ちましょう。
打突してすり抜けた後はすぐ振り向いて構えなくてはいけません。打つばかりの攻めを続けていると、身体が隙だらけになっています。
そして、打った後にすぐ構える癖をつけましょう。試合に出るようになると、攻防一致の中段の構えの重要性が分かると思います。
中段の構えの時の剣先は、相手の両眼の真ん中(正眼といいます)を向いています。
足は送り足の立ち方で、右手を前に、左手を手前に竹刀をにぎります。左手はおへそとの間にこぶしひとつ分空けます。
攻めの気持ちばかりが強いと竹刀が前に突き出たようになり、姿勢も崩れますから、攻防一致の姿勢であることを常に心がけましょう。
構えの際の注意点
構えの基本的な動作を一通りご説明しましたが、今度は構えについて特に気をつけておきたいポイントをご紹介していきたいと思います。
■左手を前にしてはいけない?
剣道では、左手を前にして構えてはいけないと言われています。
実際の構えそのものには特に決まりはなく、左上段、八相、脇構えなど、左手を前にする構えはいくらでもあります。
ただ、鍔元を握るのは右手ということもあり、どのような構えも基本的には同じになっています。
これは侍が刀を左腰に帯びたことに由来しています。左腰に刀を差していると、柄の長さもあることから右手で鍔元を握って抜刀することになるからです。
そのように抜刀した後に構えるようになると、左手は自然と柄頭付近を握るようになります。
このような自然の成り行きで右手が前に来るのに、それをわざわざ入れ替えるのは不自然と言えます。
真剣を使用する剣術から来ている武道ですので、竹刀の握りについてもその真剣と同じである必要があります。そのため構える際も自然と右の手が上で、その下が左手の握りになるのです。
■左足を前にしては駄目?
また、剣道では左足を前にして構えてはいけないとも言われています。
左足を前にした構えがルールに反しているということではありません。
高齢の剣道家の中には、左右の足を揃えるようにして構えている方もいます。また、左上段の構えでは左足が前になります。
これは昔の侍が使用していた刀をイメージするとわかりやすいのですが、刀というのは、左腰より利き手である右手を使って抜くものであり、そのため自然と右手が前になる構えになってしまうのです。
そうなると足についても右足が前になり、後の左足を主軸にして体を押すという動きが効率的になります。
つまりは右足を前にして構えるというのは、真剣を扱う時代からの名残として受け継がれたものと言えます。
まとめ
基本とされる動作、および注意点について一通り触れてみました。
はじめたばかりのうちは中段の構えをしっかり学び、基礎をしっかりと固めておきましょう。
現在の剣道では、面、小手、突きなど、基本的に直線的な動きが多いです。
そうなると、やはり左足を主軸にして打ち込むのが、一番効率的だと言えます。
これは相手を打ち負かす必要がありますので、最も効率的な方法で行うことが大切ということですね。