上達への第一歩・小手を打つときの上手な動き方

上達のコツ

小手技

小手打ちはとても大切な技の一つです。相手を攻撃するのはもちろん、試合の流れを良い方向に持っていくためにもとても重要な技と言えます。

ただそのように大切な技ではありますが、面や胴に比べて狙いにくいイメージもあり、難しいと思っている人が多いのも事実です。

試合をより有利に運ぶため、小手の基本的な動き方をマスターしておきましょう。

■小手の打ち方とは?

まずは小手を大きく打つ方法です。

小手を大きく打つためには大きく振りかぶってから打つのが一番であり、それが最も基本的な打ち方になります。

小さな振りでも打つことは可能ですが、大きめの動作から繰り出すことにより相手へのフェイント、そして審判へのアピールにもつながります。

しかしいくら大きく打つとはいっても、面打ちのように上の方まで振りかぶる必要はありません。実際に振りかぶった際に、手の下から相手の小手が見えるくらいのところで大丈夫です。

そこまできたら、そのタイミングで振りかぶり軽く振り下ろすと上手くいきます。そして打突と一緒に踏み込み、すぐに相手の懐に体をよせることが大切です。

このときは竹刀を回したりずらしたりせず、あくまでまっすぐ振り下ろすようにしてください。

次に小さく打つ方法です。

こちらは相手が面を打とうとして大きく振りかぶった際に、そのタイミングで相手の手元が上がる瞬間を捉えるのがポイントです。

この小さい打ち方は小手打ちの中では最も重要な技の1つですので、しっかりマスターしておきましょう。

小手打ちが上手にできるようになると技に切れが生まれ、様々な動きへのバリエーションが増えます。面打ちや胴打ちのように大きなアクションでないため、初心者の方には地味な印象を持たれることも多くありますが、小手打ちは戦術を広げるとても有効な技になるので、しっかりと練習をしておきましょう。

■代表的な小手技

小手面

小手面は、小手から面に繋がるよう連打していく連続技です。

如何に素早く連続打突ができるか、そして面を打つ前提で小手をおざなりにしないことが大きなポイントと言えます。

ひき小手

ひき小手は、鍔ぜり合いの体勢からひきながら小手を打つ方法です。

相手もこのひき技を警戒していますので、効率良く行うためにはフェイントなどで相手のタイミングを崩すことが大切です。

■小手に対する応じ技

応じ技とは、相手の動きに対応して後から仕掛ける技のことです。返し技ともいいます。

小手を仕掛けにくる相手の隙を上手く利用して、面を取る方法になります。

この応じ技を仕掛けることができれば、相手にプレッシャーを与えるのもそう難しくはないでしょう。

小手返し面

小手を仕掛けてきた相手の竹刀をこちらの竹刀で受け止めて、バランスを崩す方法です。コツは自分の竹刀を右側に倒しながら、小手を仕掛けてきた相手の竹刀を回転させながら流すことです。

小手返し面は小手の応じ技の中では有名な方法ですので、試しながらものにしていきましょう。相手にプレッシャーをかけることができれば、勝てるチャンスも広がります。

小手抜き面

小手抜き面はその名前のように、相手の小手を抜いて面を打つ方法です。小手を抜くことで、相手に大きなプレッシャーを与えることができます。

具体的にはこちらの小手を目がけて突進してきた相手に対して様々な技を使用して空振りを誘発させ、相手が上手く空振りした際、そのタイミングを見計らって相手の面を攻撃する方法になります。

実際に小手を抜く手法には、体を後部にすらしながら行う方法と、自分自身の小手を面の近くに上げる手法があります。

このように小手抜き面が上手くいけば、その相手はかなりのプレッシャーを感じるはずです。

出小手

出小手は、相手が出てきた際に小手を打ち込む方法です。この技術のコツは、常に相手の動きを観察することです。

相手が打ってくるところを正確に予測するのが大切であり、如何に相手の戦法を読めるかが大きなポイントです。

また相手が少しでも動き出した際にすぐ反応できるように、相手の動きをしっかり見極めましょう。

小手打ち落とし面

打ち落とし面は相手が小手を打ってきた際に、叩いて打突をそらせ、相手の空いた面を打つ方法です。

この方法は相手の動きをしっかりと観察し、素早く対応することが大切です。

■まとめ

面や胴に比べ、地味な印象のある小手技ですが、勝つためには知っておかなくてはならない大事な技です。

逆に小手技をよく知っておけば、相手の攻撃に対する備えにもなります。

基本的な技ほど練習を繰り返し行うことが重要ですので、どんな熟練者でも欠かさず基本打ちの稽古を行っています。

各技術の精度を高めていくことにより、状況に合わせて技を繰り出せるようになり、相手の技を上手に受け流せるようにもなるでしょう。

テクニカルな部分が要求される技なので、習得できればその達成感もまた格別ではないでしょうか。

この記事は、過去の掲載記事を加筆しています。