安定感NO.1 日本代表の絶対的エース
Mariko YAMAMOTO
※個人戦出場
プロフィール
1988年生まれ、大阪府出身、六段
PL学園高校→大阪府警察
全日本女子選手権2連覇、全国警察大会優勝5回などこれまで数々の輝かしい実績を残してきた、名実ともに日本を代表する選手。大阪府警の山本雅彦教士八段を父に持ち、幼いころから剣道一筋の道を歩む。
PL学園中学校時代に全国中学校大会個人3位入賞、PL学園高校3年時には個人2位で日本一まであと一歩のところまで迫った。
大阪府警に進んでからの実績は前述のとおり。日本代表には2009年のブラジル大会から選出されており、今大会で4大会連続の出場となる。
どの大会でもつねに上位を争う安定感は代表随一。
個人戦の優勝が成れば、警察選手権、全日本女子選手権、世界選手権の「3冠」を女子で初めて制することになる。
つねに足を止めないさばきの上手さと、PL学園時代から積み重ねてきたまっすぐな剣道で日本をけん引する。
教員のトップ選手が初の舞台で躍動するか
Mei FUJIMOTO
※個人戦出場
プロフィール
1991年生まれ、京都府出身、五段
久御山高校→鹿屋体育大学→教員(久御山高)
今大会が日本代表初選出。
他の選手たちに比べ、全国レベルの大きな実績を有しているわけではないが、厳しい代表合宿を乗り越えて代表10席のうちの一つを勝ち取った。
5歳時に京都の宇治向陵剣道教室で剣道に出会い、久御山高校から鹿屋体育大学に進学。卒業後、郷里である京都で教職に就く。現在は母校である久御山高校で自身の剣を磨きながら、後進の指導にあたっている。
高校時代はインターハイで個人ベスト8、大学時代もインカレで個人3位とつねにトップレベルで活躍を果たしてきた。全国教職員大会での優勝経験もある。
世界大会の直後に行なわれる全日本女子選手権にも初出場を決めており、その評価は急上昇中。スピードと手数の多さは大きな武器。山本に次ぐ年長者として、チームをまとめる役割も期待される。
「記録」にも「記憶」にも残る新時代の旗手
Mizuki MATSUMOTO
※個人戦出場
プロフィール
1992年生まれ、福岡県出身、五段
筑紫台高校→法政大学→神奈川県警察
法政大学4年時に全日本女子選手権で決勝に進出し、神奈川県警へと進んだ翌年、世界選手権と全日本女子選手権をダブルで制した逸材中の逸材。
小学1年生のときに名門・今宿少年剣道部で剣道をはじめて以降、つねにトップ戦線で活躍する。
筑紫台高校3年時には団体個人両部門でインターハイを制し、法政大学でも大学日本一の座に着く。
鳴り物入りで宮崎正裕や髙鍋進といったレジェンド剣士の集う神奈川県警に奉職。2015年、日本で開かれた世界大会において初の代表入りを果たし個人優勝、団体戦では大将を務めた。
スピードとパワーを兼ね備えた万能型の剣士で、〝覚醒〟したときの爆発力は強烈なインパクトがある。山本との二枚看板で日本の大会7連覇をたぐり寄せる。
優勝の鍵を握る団体戦のポイントゲッター
Tai WATANABE
プロフィール
1992年生まれ、熊本県出身、五段
阿蘇高校→日本体育大学→熊本県警察
日本で行なわれた第16回大会に続き、2大会連続の選出となった。
当時は日本体育大の4年生だったが、現在は熊本県警に奉職している。
剣道の超名門・阿蘇高校(現・阿蘇中央高校)出身であり、高校時代は絶対的な大将としてチームを牽引、高校選抜優勝、インターハイ団体2位など輝かしい実績を残した。
進学した日本体育大でも主に団体戦での活躍が目立ち、3・4年時にはインカレで3位入賞を果たしている。
大学3年時には全日本女子選手権に初出場し、ベスト8まで勝ち上がった。元々、芯の強い男勝りな剣道をするタイプだったが、熊本県警奉職後はさらにパワーアップした印象。
当たれば一本になるような打突力を持ち、昨年の全日本女子選手権ではついに3位入賞を果たした。団体戦のポイントゲッターとして、日本チームに欠かせない存在となるはずだ。
スピード、攻撃力、安定感と隙なしの女王
Moeko TAKAHASHI
プロフィール
1993年生まれ、新潟県出身、四段
守谷高校→法政大学→神奈川県警察
昨年、出場4回目で悲願の全日本女子選手権制覇を果たした現女王。
日本代表には守谷高校3年時に初選出(第15回イタリア大会)され、今回で3大会連続の出場となる。
インターハイを個人団体ともに制し、法政大でも同じく個人団体両部門で日本一までのぼりつめた俊英は、大学の先輩でもある松本弥月に続いて神奈川県警に奉職。
警察官となってからは結果がついてこない時期もあったが、第16回世界大会では日本の先鋒として優勝に大きく貢献した。一級品のスピードと攻撃力に加え、警察剣道でもまれたことによりフィジカルの強さも身につけている。
今大会では団体戦のどのポジションで起用されるか分からないが、彼女がいることによってチームの安定感は大きく増すだろう。
新進気鋭の上段剣士が日本代表初選出
Hinano TOMINAGA
プロフィール
1995年生まれ、愛媛県出身、四段
帝京第五高校→鹿屋体育大学→教員(鹿屋体育大学非常勤職員)
男女20人の日本代表のなかで、唯一の上段剣士。帝京第五高校時代に監督の勧めで上段を執るようになり、その素質を開花させる。
インターハイでは同期の強豪選手を次々と破って個人3位入賞を果たした。卒業後に進んだ鹿屋体育大では、チームの主軸として活躍。2年時にはインカレ団体で優勝を決め、最終学年となった昨年も同大会で決勝まで勝ち進んだ。
卒業後は大学に残り、現在は非常勤職員として大学生とともに竹刀を振る立場にある。
今年は高校3年時以来となる、全日本女子選手権の出場も決めている。一撃で相手を倒す上段というよりは、多彩な攻めと技を使い分けて戦うタイプ。
団体戦では上段選手が試合の鍵を握ることも多く、大事な場面での起用が予想される。
〝未完の大器〟が世界の舞台でベールを脱ぐ
Chika MATSUMOTO
プロフィール
1996年生まれ、福岡県出身、四段
筑紫台高校→鹿屋体育大学
同じ日本代表の松本弥月選手の実妹。
高校時代はインターハイに出場することができなかったが、その素質は誰もが認めるところ。
鹿屋体育大では順調に実績を重ね、3年時の全日本女子学生選手権で2位入賞。この年に全日本女子選手権にも初出場し、今年も予選を勝ち抜いて連続出場を決めている。
7月の全日本女子学生選手権はまさかの緒戦敗退と、いまだそのポテンシャルを生かし切れていない部分はあるが、それでも代表に選抜されるということは、期待させる何かを首脳陣も感じているのだろう。
一皮むければ姉を超える可能性さえ秘める大器。その瞬間が世界の舞台で訪れることを期待したい。
着実に進化を続ける若手注目株
Miho TAKENAKA
プロフィール
1998年生まれ、鳥取県出身、四段
島原高校→筑波大学
若手ナンバーワンの実績と安定感を誇る注目株。
世界大会個人2位で、今大会の女子コーチを務める竹中健太郎氏を父に持つ。
鳥取県で剣道をはじめたが、父の転勤に伴い鹿児島県へ。高校は長崎県の名門島原高校に進学し、3年時に個人日本一の栄冠を手にする。
筑波大に進学後も安定感抜群の剣道で、関東女子選手権では2年連続の入賞を決めている。
全日本女子選手権には大学1年時から出場を続けており、今年も優勝候補の一人として名前があがっている。
すべての技をオールマイティに使いこなす剣道偏差値の高さは父譲りか。若手らしい溌剌とした剣道を韓国でも見せてもらいたい。
正剣と勝負強さで代表権を手中に収める
Kana KOMATSU
プロフィール
1998年生まれ、宮城県出身、三段
東奥義塾高校→明治大学
一昨年、インターハイ個人決勝で東奥義塾の同門対決を制し、日本一に輝いたのは記憶に新しい。
5歳のときに宮城県の一心堂剣道スポーツ少年団で剣道をはじめ、高校は伊藤敏哉監督に請われて青森県の東奥義塾高校に進学する。
努力を重ねて2年時にインターハイ個人戦でベスト16まで勝ち進むと、年度末の高校選抜では同校に初となる日本一の栄冠をもたらした。
3年時のインターハイは団体こそ予選リーグで敗退してしまったものの、その悔しさをバネに個人戦では頂点を極めた。
明治大進学後は関東女子学生選手権で2年連続3位入賞。関東団体も制して成長著しい明治大の中核を担っている。
飛び抜けたスピードやパワーがあるわけではないが、正剣と勝負強さがウリ。合宿を勝ち抜いて代表の座を射止めたことは、大きな自信となっているはずだ。
日本代表の最終兵器が世界一に駆け上がる
Maika SENOO
プロフィール
2000年生まれ、福岡県出身、三段
中村学園女子高校
※個人戦出場
今、女子剣道界で最も知名度のある選手かもしれない。
無敵の強さを誇る中村学園女子高校でインターハイ3連覇の原動力となり、個人戦も2年連続で日本一の座に着いた。
その実力は、もはや高校レベルではかることはできない存在だ。
福岡の今宿少年剣道部で竹刀を握って以来、つねにトップに君臨してきた。その原動力となっているのが、今宿時代に身につけた独特の剣風だろう。
打たせないことに主眼を置いた選手は星の数ほどいるが、彼女にはそこから一瞬にして技を決めきるパンチ力がある。
鉄壁の防御からカミソリのようなキレのある技を出されては、対戦相手も白旗をあげざるを得ない。
世界大会でも主力として期待をかけられているはずだ。
個人戦では上位で日本のトップ選手と戦うことが予想されるが、彼女なら、その壁も打ち破り世界一にたどり着く可能性は充分にある。