2018年6月3日(日)
東京都・日本武道館
一般の部
■準決勝
三菱UFJ銀行(本店)×NTT
NTTが先鋒榎本の二本勝ち、次鋒兵藤の一本勝ちで早くも王手。
追いつめられた三菱UFJ銀行だったが、中堅廣田が二本勝ちを収め流れを止める。副将戦引き分けの後の大将戦、NTTの竹越がつばぜり合いでの反則を2回取られて一本を失い、三菱UFJ銀行が追いついて代表戦となった。
副将同士の対戦となった代表戦は永谷が気迫で圧倒。初太刀で相手の竹刀を巻くように出ると齊藤が竹刀を落とす。
二太刀目で永谷は大きくコテに跳び込み、三菱UFJ銀行が逆転で決勝進出を決めた。
アールエフテクニカ(本社)×伊田テクノス(本社)
次鋒戦引き分けのあと、中堅戦は伊田テクノスの近藤がメンを打ったところを上戸が抜いて、ひき気味にメンを決め(こちら向きが上戸)、そのまま一本勝ちを収めた。
一本差で迎えた副将戦はアールエフテクニカの飯田がメンを二本決めて逆転を果たす。
大将戦は引き分けてアールエフテクニカが勝利を収めた。
■優勝チーム・三菱UFJ銀行インタビュー
前身である各行の時代から通算すれば非常に長い歴史を持つ剣道部だが、関東、全日本を通じて初の優勝となった。
本大会における銀行の優勝は昭和60年の平和相互銀行(巣鴨)以来33年ぶりのこととなる。
選手のうち貝塚(法大卒)と川村(東大卒)は1年目で、廣田(慶応大卒)が23歳、永谷(明大卒)25歳、三浦(中大卒)26歳と若いメンバーで固めた。
片桐毅監督に聞いた。
「さすがに優勝までは想像していなかったのですが、本当に今日みんながベストコンディションで臨めたのがよかったと思います。先月あたりも小さな大会に出たりして徐々にペースをあげて、一番いい状態でピークを持ってこられました。(3回戦で富士ゼロックス本社に勝って)あそこで乗れたのでよかったなと思います。富士ゼロックスさんにも勝ったんだから最後まで行ってくれというお言葉をいただいたので、それが果たせました。紙一重のところで、今日は運も味方したというところもあると思います」
現在の部員数は全国合わせれば老若男女を含めて100人を超える。東京地区だけでも80名の部員がおり、週に1回会社の施設で集まって稽古をしている。採用にあたって剣道の戦績等が考慮されるようなことはまったくない。
「今回の若い選手たちも大学の超一線級で輝かしい成績を残してきたかというと、そうではありません。かつ稽古も週1回ペースで、業務もプライベートもあるのでその週1回も出られないことがある中で、みんな仲良く老若男女集まって信頼し合いながら、一つひとつ稽古を考えながらやってきて、今日も一人ひとりがつないでいった結果、こういう成績が出せたのかなと思います」
■準々決勝
三菱UFJ銀行(本店)×凸版印刷(本社)
アールエフテクニカ(本社)×日本通運(本社)
日本通運が決勝進出まであと1勝としたが、ここからアールエフテクニカが試合をひっくり返した。
中堅戦は引き分けたが、副将飯田、大将神崎がともに二本勝ちを収め、見事な逆転勝利を収めた。
NTT×日通商事(本社)
中堅戦は日通商事の木村が巧みにコテを決めて一本勝ちを収めたが、副将戦ではNTTの齊藤が早々に相手の手元が上がるところにコテを決める。
さらに賀川が取り返しにきたところにメン返しドウで勝負を決めた。
伊田テクノス(本社)×東洋水産(本社)
次鋒戦、中堅戦は引き分けとなり迎えた副将戦、伊田テクノスの栄花(友)が、下川から出ゴテを奪って一本勝ちを収め、チームの勝利を決めた。
■6回戦ピックアップ
6回戦 ALSOK(神奈川)×東洋水産(本社)
東洋水産は続く副将下川がメン二本を決め伝統チームの力を見せつけて一気にALSOKを退けた。
6回戦 日本通運(本社)×住友不動産販売(本社)
大将戦は日本通運の志賀がメン二本を決めて住友不動産販売を突き放す。日本通運が伝統の力を見せてベスト8に進んだ。
6回戦 日通商事(本社)×トッパン・フォームズ(本社)
トッパン・フォームズは前の5回戦で代表戦に勝利している柳井、日通商事は中堅の木村。
試合は初太刀で柳井がコテを打っていくと、木村が返してメン。これが決まり技となり、一瞬で勝負がついた。
6回戦 アールエフテクニカ(本社)×三井住友海上(本店)
何度も本大会、全日本で優勝を果たしている三井住友海上にアールエフテクニカが挑んだ。
先鋒戦は三井住友海上の佐藤が勝利を収めるも、次鋒戦引き分けのあと、アールエフテクニカは中堅上戸、副将飯田の連勝で逆転を果たす。
大将戦、アールエフテクニカの神崎は鈴木に対し一本ずつ取っての引き分けで試合を終え、アールエフテクニカが強豪を下して快進撃を続ける。
6回戦 NTT×ALSOK(東京)
NTTは先鋒榎本の二本勝ちでリードを奪う。次鋒戦は一本ずつ奪っての引き分け。
中堅戦ではALSOKの藤江が2―1で勝利を収め反撃を開始するが、NTTは副将齊藤、大将竹越が地力を見せ、ともに一本勝ちでALSOKを突き放した。
■5回戦ピックアップ
5回戦(コート決勝) 伊田テクノス(本社)×NTT東日本(本社)
中堅戦、伊田テクノスの近藤がメンに跳び込み均衡を破る。そのままのスコアで迎えた大将戦は、伊田テクノスの矢野がコテを決めて一本勝ちを収めた。
5回戦(コート決勝) ALSOK(神奈川)×JR東日本リテールネット(本社)
副将戦、大将戦は引き分けて代表戦に持ち込まれた。ALSOKは石森、JR東日本リテールネットは上段の大将鶴岡。
ここは石森が鶴岡のコテに跳び込み(写真)勝利を手にした。
5回戦(コート決勝) トッパン・フォームズ(本社)×セントラル警備保障(東京)
副将戦は一本ずつ取り合っての引き分け。
大将戦でトッパン・フォームズの柳井がコテを奪い代表戦に持ち込んだ。
柳井と永田による代表戦は永田の出ばなに柳井が放ったコテが有効打となった。
女子の部
■準決勝
東京海上日動(本店)×日本通運(首都圏)
その後もともに攻め合い、畝尾のメンと田島の出ゴテの打ち合いは審判の旗が2-1と割れたが畝尾のメンが有効となった。
大将戦、若い図末(日本通運)が一本を取り返しに行くが、小山がそれを許さず、東京海上日動が快進撃を続ける。
ALSOK(東京)×富士ゼロックス東京(新宿)
しかし大将戦はALSOKの藤江が、三浦の手元が上がるところにコテを決め、再び代表戦に持ち込んだ。
大将同士の対戦となった代表戦は、初太刀で藤江がメンに跳び込み、一瞬で決着をつけた。
■準々決勝
ALSOK(東京)×富士ゼロックス東京(城西)
大将戦では藤江がメンを先取するが、浦が執念の返しドウを決め、代表戦に持ち込んだ。
同じ2人による代表戦では藤江がメンに跳び込み、ALSOKが勝ち進んだ。
準々決勝 東京海上日動(本店)×東洋水産(本社)
先鋒戦で東京海上日動の河村がドウとメンを決めて二本勝ちを収める。
この二本が東洋水産には重くのしかかり、中堅津島、大将佐久間とも引き分けに終わって、東京海上日動が勝利を収めた。
準々決勝 日本通運(首都圏)×伊田テクノス(本社)
日本通運は先鋒作山がメンを決めて一本勝ちを収める。
伊田テクノスは中堅高橋、大将志藤ともに引き分けに終わり、作山の貴重な一本で日本通運が勝利を収めた。
準々決勝 富士ゼロックス東京(新宿)×大塚家具(本社)
ベスト8に2チームが駒を進めた富士ゼロックス東京。この試合は先鋒村上の一本勝ちでリードする。
中堅戦は引き分け、大将戦は大塚家具の金屋がコテを決めて追いつき、代表戦に持ち込んだ。
大塚家具は先鋒の平田、富士ゼロックスは大将の三浦。
ともにこの試合では敗れた2人の対戦となるが、三浦がドウを奪って富士ゼロックス東京が勝利を収めた。
■優勝チーム・東京海上日動インタビュー
優勝した東京海上日動は、過去この大会での入賞はなく、初の入賞がうれしい初優勝となった。
3人の選手はそろって早稲田大学出身である。
宮﨑誠治監督に聞いた。
「本当にチームワークよく戦ってくれて、仕事もある中で努力した結果がこの成績につながったのではないかと思います。補欠のメンバーも含めてそれぞれ力は持っていますし、今日出た3人は同じ大学出身ということで、チームワークもさらによかったようです。プレッシャーというよりも、自分の精一杯を出して楽しんで剣道をしようと臨んだ結果が優勝につながったのではないかと思います。本当にすごいなと純粋に思いましたし、今日は元気をもらったなと思っています。男子も非常に頑張りましたので、お互いにいい刺激をもらったのではないでしょうか」
各事業所を合わせると100人ほどの部員がいるが、東京の部員が集まって稽古するのは週1回だという。
大将を務めた小山がこれまでキャプテンを務めていたが、最近畝尾に交代した。
「女性は10名ぐらいいるんですが、毎週集まれるかとなるとなかなかそうもいかないところがあります。社会人で剣道をしていますので、勝ちだけではなく、長く続けていってくれたらそれはそれでいいなと思います。男子と一緒に同じ道場で稽古していますので、そういうところもよかったのではないでしょうか。キャプテンを中心に、男女とも工夫しながら中身の濃い稽古をしてくれていると思います」