剣道をする人には、その人なりのストーリーがあります
■はじめたきっかけは祖父
小学生3年の時、祖父が毎週決まった日の夕方頃に出かけているので、聞いてみたことが始まりです。
「おじいちゃんどこ行ってきたの?」なんて疑問を口にしてみたら、今度一緒に連れていってあげると言うので、翌週連れてもらったのが道場でした。たしか体育館でやっていたと思います。
まずは竹刀を持つことから
さて、少年の僕が、剣道をやっている祖父の姿を目にしたときに素直に「やってみたい」と思ったわけですが、それを両親に話すと「頑張れるならやっても良い」と言われたので、剣道生活をスタートすることに。
当然ですけど、最初は防具もなく、本当に初心者の小学生でしたから「竹刀の持ち方」から教わりました。それから毎日、基本を学ぶ。その積み重ねでした。
初めて防具をつけた時の感動
防具は、1か月ほど基本的な動作を行いマスターしたら、祖父が買ってくれました。初めて防具をつけたの感動といったらないです。本当に嬉しかったです。
防具着装もやり方があるので、それを色々教わりながら、ようやく1人でもできるようになりました。何でも教えてくれるのでありがたかったです。
強い弱いにこだわらない
決して強いほうではありませんでしたが、試合にも多く出場しました。大体3回戦くらいで負けていましたが、それでも面白かったです。
僕は、祖父という身近な存在がしていたため、こんな楽しいものと出会う事ができました。
もし、祖父と別の家に住んでいたら…と考えると、たぶん剣道に興味を持つことすらなかったと思います。そういった意味では僕はラッキーでした。
新たな出会い
よく「キッカケひとつ」と言いますが、本当にその通りです。
剣道を通して、色んな友人と出会うことできたし、中学・高校も剣道部でしたから青春の財産として十分なものだったのではないかな、と思います。
当時はそんな事を微塵も考えたりはしなかったですけど、剣道をやっていて本当に良かったと思います。祖父に感謝しています。
■スタートは青春
入学後は部活動への入部が義務づけられていて、特に気になる部活もない中で「モテそうじゃない?」と誘われたのが剣道部に入るきっかけでした。
そうは言っても「先輩怖そう」「暑苦しい」「痛そう」と実のところ入部にあまり乗り気ではなかったのですが、友人の激しい誘いに根負けして結局入部の流れへ。とはいえ、これも出会いですね。
私にとっての剣道は「女の子にモテたい」なんていう、なんとも不純な理由からのスタートでしたけど…まあ青春ですね(笑)
軽い気持ちだったはずが…
そんな軽い気持ちで入部したわけですし、何かの大会で優勝したい何かの大会で優勝したいという気持ちや、精神を鍛えたいなど崇高な目標は全くなし。
毎日毎日、ただ単に女の子にモテたいという思春期男子は、煩悩と欲望に従うまま何となくしていました。ところが、実際に毎日稽古をしていると上達します。
そしてその魅力にどんどんハマっていきました。半年後には仲間やライバルに勝ちたい、もっと強くなりたいなど目標が次第に変化が生まれていました。
そして剣道をはじめて1年後、中学2年生になった時の目標は「県大会で優勝する」しっかりとしたビジョンになり、さらに打ち込むように。自分でも驚くほど大きくなっていました。
キッカケは何でもいい
「女の子にモテたい」そんなくだらない目標でも、始めるためのキッカケは大した問題じゃない! 始めるのは何となくでも全然大丈夫なんです。
何かを始めるのに理由は問題じゃなくて、何かを始めたときに途中で始めた時に途中で投げ出したり、中途半端に取り組むことなどをせず、自分の目標に向かってどう行動するか。私は常々こう思います。
それにやり切ったことは自分のかけがえのない財産になって、将来いろんなことに役立ちます。
これを読んでくださった方も、ぜひ投げ出さず、自分なりの目標をもってやり遂げてもらえればと思います。
■剣道をしていて良かった!
剣道をやっていると驚かれたり、「すごいね」と言われたりすることがよくあります。
この競技は、日本でも世界でもよく知られている武道の一つですが、バレーやバスケットボールのような球技とは異なり、気軽に始めることが少し難しいからでしょうか。
剣道で広がった海外交流
私は剣道を通し、海外の方々と交流を持てる機会を得ました。
大学1年生の時、語学研修のためスコットランドのエディンバラという都市に1ヶ月半滞在していました。
初めての海外滞在でしたし、言語の壁、文化の壁に阻まれ、現地の人と親しくなることができず悩む日々でした。
その時、その地域で剣道の稽古をしているという日本人に出会い、現地の教室を紹介してもらったのです。
剣道を通して良い関係を築けた
私はそのとき自分の防具や竹刀を持ってきていなかったので、稽古ができるとは思っていませんでした。
しかし、見学に訪れると大歓迎してもらい、稽古のための剣道具一式を貸していただけることになりました。
それからは週に何度か稽古に行き、その後は近くのパブに立ち寄って現地の人とのつながりを持つことができたのです。
私は彼らとの交流を楽しみ、彼らは剣道をやっている日本人と稽古ができ、お互いにとても良い関係になりました。
交流とお互いへの尊敬
帰国後も日本を訪れた留学生に剣道を教える機会が多々あり、そのたびに新たな出会いに喜びを感じました。
この競技が持つ精神性や文化を海外の方に伝えることはとても難しいです。しかし、海外で剣道に取り組む人々は日本人以上に真摯に、その点を大切にしています。
その姿勢は本当に尊敬できますし、他の国の文化を受け入れる寛大さも素晴らしいと感じました。
剣道という一つの日本文化を知らなかったら、このように海外の方と交流はできなかったと思います。
国際交流のひとつの手段としての剣道の存在を改めて実感しました。
■最後に
いかがでしたでしょうか?
剣道をしていてよかったと思えること、きっともっと楽しい出来事がやっている人の分だけあるのだと思います。
またこういったストーリーをご紹介できればと思います。