2018年6月17日(日)
大阪府・大阪市立東淀川体育館
男子の部
優勝したパナソニック・エコソリューションズ(以下ES)は、昨年は同社のチーム同士で決勝を争い3チームがベスト8に進んだが、今年は2チームがベスト8に進み1チームは準々決勝で敗退という結果だった。
本社Aはダイハツ工業との3回戦が1ー0、続くカンキとの準々決勝が2ー1と早い段階から僅差での勝利が続き、決勝は代表戦。
接戦に持ち込まれながらもここぞという場面で踏ん張る底力を見せての勝利だった。とくに確実にポイントを稼いだ次鋒吉村の働きが大きかった。
同様に2チームがベスト8に進んだのが、一昨年まで4連覇を果たした東レ滋賀と昨年3位のNTT西日本。
東レ滋賀は昨年ベスト8に1チームも進めなかったが、今年は王座奪還をうかがう勢いがあった。
しかしAチームが富士ゼロックス大阪Aに準々決勝で逆転で敗れると、Bチームも準決勝でパナソニックES本社Aに敗退した。
一方のNTT西日本は昨年に引き続いて2チームが進出。しかも今回はAチームが決勝に進んだ。虎視眈々と王座を狙う存在といえよう。
また、富士ゼロックス大阪Aは、東レ滋賀Aと対戦する前にグローリー本社A、パナソニックES本社Bなど上位進出を狙ったチームを破っており、今大会の台風の目となった。
昨年の全日本実業団大会を制したパナソニックES、2位となった東レの2強にNTT西日本などが割って入り、近畿地区の実業団のレベルはさらに上がっていると感じられた。
■優勝インタビュー 足達翔太(パナソニックES本社A・大将)
(決勝の大将戦は)まずは取り返さなければいけない。まずは一本という気持ちがあり、初太刀は決めて打ちに行こうと。たまたま(旗が)上がってよかったです。(代表戦は)大将戦で相手の癖や仕草がだいたいわかってきたので、自分の得意なところで勝負しようと思っていきました。
チームとしてはあまり良くなかったかなと思いますが、ただ、昨年の全日本実業団からそうですけど、大将にしっかりつないで、というところができたのは良かったです。あとは9月の全日本に向けて、またしっかり修正してやっていきたいと思います。
近年(関西勢の)レベルが本当に上がってきているなというのが正直な気持ちです。その中で自分たちもやれるということは非常にうれしいことですし、関東勢、九州勢に負けないように、関西のみんなでしっかり盛り上げていこうという気持ちがあるのがいいのかなと思います。
■準決勝
パナソニックES本社A×東レ滋賀B
先鋒戦はともに惜しい技がありながら旗は動かず引き分け。
中堅戦は東レ滋賀の俣野が出ゴテを先取。しかし笹森は残り時間が少なくなったところでメンに跳び込み引き分けとした。
副将戦は引き分け、パナソニックの1勝リードで大将戦へ。東レ滋賀の藤田も惜しいコテなどを見せたが、終了近くなって足達がひきメンを決め2-0でパナソニックが勝利。
準々決勝で破れたAチームの分までと粘りを見せた一昨年の覇者東レ滋賀だったが、準決勝で涙を飲んだ。
NTT西日本A×富士ゼロックス大阪A
先鋒戦は奥村がメンを決めて勝利を収め、富士ゼロックスが幸先の良い立ち上がりを見せた。
副将戦は互いに慎重になり、惜しい技もあったが引き分け。
大将戦、ここまで何度もチームに勝利をもたらしてきた富士ゼロックスの森本が足を使って攻めるも、最後まで充分な機会を得られず引き分け。
NTT西日本が1-1の一本差で決勝に駒を進めた。
■準々決勝
富士ゼロックス大阪A×東レ滋賀A
富士ゼロックスは、グローリー本社A、パナソニックES本社Bなど序盤から強豪との対戦が続く中を勝ち上がり、今大会の台風の目となった。
王座返り咲きを狙う東レ滋賀Aとの準々決勝は、先鋒から中堅まで引き分けが続いた。
副将戦からは目まぐるしい展開となる。富士ゼロックスの渡邉が立ち上がりいきなり相手の手元の上がるところにドウを決めるが、対する中村がそこから立て続けにドウとコテを連取し逆転勝利を収めた。
NTT西日本A×パナソニックES門真A
先鋒、次鋒と引き分けた後、中堅戦は川原がひきメンを決めてNTT西日本がリードする。
しかしすぐに副将戦でパナソニックESの磯口がメンを決めて追いついた。
終了時間が刻一刻と柄づく中、パナソニックESの有田は自ら場外に出て仕切り直して一本を狙う執念を見せるも、そこに尾野が出ゴテを狙い打ち。
二本目を奪ってパナソニックESを突き放した。
東レ滋賀B×NTT西日本B
追いつ追われつの試合となった。
先鋒戦はともに一本ずつを取り合ったところからNTT西日本の高橋がメンを決めて勝利。次鋒戦は東レ滋賀の前田がコテを決め一本勝ちを収める。
互いに惜しいところもあった副将戦だが、引き分けに終わると、東レ滋賀は大将の藤田が見事に二本勝ちを収め、東レ滋賀が執念の逆転勝利を収めた。
パナソニックES本社A×カンキ
パナソニックESは次鋒吉村がメンとコテを決めての二本勝ちでリードを奪う。
カンキはすぐに中堅黒木が一本勝ちで反撃。しかしパナソニックESは副将高、大将足達が相手に一本を許さずともに引き分け、パナソニックESが一本差を守り切って準決勝に進んだ。
■3回戦以下ピックアップ
3回戦 富士ゼロックス大阪A×グローリー本社
創業100年の節目の年に上位進出を狙うグローリーだったが、先鋒戦で富士ゼロックス大阪の奥村がコテを二本決めてリード。
グローリーは中堅赤松がメンを先取するも、菅野がメンに跳び込んで引き分けとする。
2回戦 富士ゼロックス大阪A×パナソニックES本社B
パナソニックES本社の次鋒森田、富士ゼロックス大阪の中堅菅野がともに一本勝ちで、同点のまま大将戦へ。
富士ゼロックスの森本が早々にメンを奪うが、パナソニックESの勝見が執念を見せて最後まで反撃、時間切れ間際に出ゴテを返して代表戦に持ち込んだ。
2回戦 パナソニックES本社A×グローリー姫路
パナソニックES本社Aの初戦。先鋒戦引き分けのあと、パナソニックESは次鋒吉村がひきメンで一本勝ち。
さらに副将高も立ち上がりにメンを決めて一本勝ちを収め快勝。まずは順調な立ち上がりを見せた。
女子の部
3人制の女子は20チームが出場。
昨年までは1次リーグのあとに2次リーグを行なっていたが、今年は5チームずつ4グループに分かれてリーグ戦を行ない、各グループの1位が準決勝に進むという方式となった。
4チームが出場したパナソニックESが層の厚さを見せつけ、うち3チームが準決勝に進出。
それ以外では唯一、NTT西日本Bがベスト4に食い込んだ。NTT西日本Bはリーグ戦でパナソニックES門真Bのほかグローリー本社などとの競り合いを制している。
NTT西日本は4年前に優勝、昨年は6チームが2次リーグに進む中でパナソニックES同様2チームが進出しており、男子同様パナソニックESに迫る存在となっている。
準決勝でパナソニックES本社Aに挑んだNTT西日本Bだが、パナソニックESが先鋒大亀、中堅元木の2連勝で勝負を決める。
決勝は昨年に引き続きパナソニックES同士、本社ABチームの戦いとなった。
本社Aは全日本女子選手権にも出場した信田(福岡教育大卒)が大将、主将の元木(立命館大卒)が中堅、大将として全日本学生団体優勝という実績のある大亀(明治大卒)が先鋒という構成。
ポジションは入れ替えたが昨年の優勝メンバーと同じである。その力を示して頂点に立った。パナソニックESとしては4連覇を達成。
■優勝インタビュー 信田茉利奈(パナソニックES本社A・大将)
チームで攻めて戦えたことが良かったかなと思います。(決勝は)知っている相手ではあるのですが、逆にその方がいつも通りできて良かったかなと。
みんなが優勝目指してできるというのがパナソニックのいいところで、誰がというのではなく、自分がやるんだという意識を持ってみんながやていることが、チームの底上げにつながっているのかなと思います。
どのチームで出るかというのはやっぱりあるのですが、そこで切磋琢磨してどのチームも勝てるようなチームが作れていると思います。
■準決勝
パナソニックES本社A×NTT西日本B
中堅元木もひきメンを決めて一本勝ち。パナソニックESが快勝で決勝進出を果たした。
パナソニックES本社B×パナソニックES門真A
同チームによる戦いとなった準決勝は3試合とも引き分けとなり、代表戦に持ち込まれる。