男子団体戦4強の勝ち上がり・決勝トーナメント詳細|第48回全国中学校剣道大会

試合リポート
第48回全国中学校剣道大会(男子)
2018年8月22日(水)〜24日(金)
岡山県・岡山市総合文化体育館
写真=窪田正仁・鈴木智也

九州学院が王者の戦いで頂点に

■優勝・九州学院中|危なげない戦いで2年連続団体・個人タイトルを奪う

男子優勝・九州学院中(熊本)

男子優勝・九州学院中(熊本)|高島壮右馬(2年)、福岡勇馬(2年)、保田武瑠(3年)、鮫島雅貴(3年)、末永英大(3年)、田中兆(3年)、蓑茂雅楽(3年)。監督=米田敏郎

インターハイでは九州学院高校が王座に返り咲き、他の追随を許さぬ記録を積み上げているが、同じ道場で稽古をする中学も頭一つ抜け出した存在となっている。

昨年は団体戦優勝と個人戦1、2位を独占。今年も2年連続団体優勝と、個人戦優勝のタイトルを独占した。

優勝は通算7回目。とくに近年は平成22年度からの9年間で4回の優勝を積み上げたことになる。

九州学院高校とともに中学を指導する米田敏郎監督は

「驚きました。そんなに強いチームだとは思っていなかった」

と語ったが、勝負が大将戦にかかったのは1試合のみで、それもリードした状況でのものであり、インターハイを制した高校以上に、危なげない勝利の連続だった。

リーグ戦初戦で5―0と東海大湘洋中(静岡)に完勝。下館中(茨城)には2―0というスコアだったが先鋒高島の勝利のあと、個人戦優勝の副将鮫島が勝って勝利を決めている。

決勝トーナメントに入ると先鋒高島は引き分けが続いたが、次鋒福岡、中堅保田と、個人戦を制した副将鮫島の3人でほぼ勝利を決めていく。

トーナメント1回戦、九州学院中×壬生中【次鋒】福岡×清武

トーナメント1回戦、九州学院中×壬生中【次鋒】福岡×清武|福岡が面を決め、九州学院が先手を取った

壬生中(栃木)との決勝トーナメント1回戦は次鋒福岡が一本勝ちを収めると中堅保田が二本勝ちで続き、副将鮫島も一本勝ちを収めた。

準々決勝、九州学院中×幕張本郷中【次鋒】福岡×大塚

準々決勝、九州学院中×幕張本郷中【次鋒】福岡×大塚|福岡がここでもメンを決め一本勝ちで、流れを引き寄せた

幕張本郷中(千葉)との準々決勝は唯一大将戦に勝負がかかった。次鋒福岡、中堅保田の連勝で2―0とリードを奪うも、鮫島が唯一の黒星。

しかしリードした状況で大将末永が勝って3―1と問題なく勝利を収める。伝統校の長崎南山中(長崎)との準決勝では福岡が二本勝ちでリードを奪うと、今度は鮫島が二本勝ちを収め2―0で勝利を決めた。

決勝は福岡がいったんは一本一本に追いつかれるもドウを奪って勝利を収めると、保田、鮫島が勝利で続き、末永も勝って4―0と快勝で優勝を決めている。

準決勝、九州学院中×長崎南山中【副将】鮫島×池田

準決勝、九州学院中×長崎南山中【副将】鮫島×池田|鮫島がコテを決め、九州学院中の決勝進出が決定

■2位・潮田中|4年ぶりの王座まであと一歩

2位・潮田中(神奈川)

2位・潮田中(神奈川)|新妻勇吾(3年)、東樹聖(3年)、金田玲旺(3年)、清水祥貴(3年)、杉本烈輝(3年)、大城賢馬(3年)、石田健真(1年)。監督=並木信平

平成26年度に団体戦優勝、翌年は2位になっている。全国優勝に導いた大塚陽介元監督は今年度から転任となり教育委員会に勤務。

3年前から指導に関わっている並木信平監督がチームを2位に導いた。「日本一を目指してきた」と並木監督が語るチームは、予選リーグは接戦だったが徐々に調子をあげ、強豪を下して力強く勝ち進んだ。

予選リーグは2試合とも接戦となった。今治西中(愛媛)に対しては副将清水の勝利のみで1―0。

伝統校の三瀬中(佐賀)に対しては次鋒東が勝ち星をあげるも清水が敗れて追いつかれ、大将杉本の勝利で2―1という展開だった。

トーナメント1回戦、潮田中×燕中【先鋒】新妻×近藤

トーナメント1回戦、潮田中×燕中【先鋒】新妻×近藤|新妻がメンを決める。潮田中が快勝した

準々決勝、潮田中×加古川中【副将】清水×白國

準々決勝、潮田中×加古川中【副将】清水×白國|清水がメンを決めて勝つ。これで潮田中の勝利が決定

準決勝、潮田中×豊中十六中【副将】清水×井関

準決勝、潮田中×豊中十六中【副将】清水×井関|清水が返しドウを決め、潮田中がリードを奪う

決勝トーナメント1回戦、男子は11年ぶりの出場となった燕中(新潟)に対しては先鋒から新妻、東、金田と連勝し、杉本も勝って4―0とする。

一昨年2位の加古川中(兵庫)との準々決勝も次鋒東、中堅金田、副将清水が3連勝で快勝した。

豊中十六中(大阪)との準決勝は接戦となり、先鋒新妻が先行するも次鋒戦で追いつかれ、副将清水の勝利で2―1とした。

決勝は先鋒戦で新妻が先取しながら追いつかれて引き分け、次鋒東が追いつきながら敗れた時点で、流れは相手に渡り、取り戻すことができなかった。

3位・豊中十六中|3回目の出場で初の入賞を果たす

3位・豊中十六中(大阪)

3位・豊中十六中(大阪)|多田真之介(3年)、神原康佑(2年)、柴田康佑(3年)、井関孝太郎(2年)、門田功成(3年)、金田悠希(1年)、橋本陸人(1年)。監督=三輪穂久登

かつて住吉一中を率いて実績を残した三輪穂久登監督が就任して以降、出場を重ねて今回が3回目。出場するたびに戦績を伸ばし、2回目の出場となった昨年はベスト8、今年は初の入賞を果たした。

リーグ戦第1試合では中堅戦を落とし郡山ザべリオ中(福島)に先行されたが、副将井関と大将門田の勝利で逆転。第2試合では宇ノ気中(石川)を3―0で下した。

トーナメント1回戦、豊中十六中×奥田中【中堅】柴田×牧野

トーナメント1回戦、豊中十六中×奥田中【中堅】柴田×牧野|柴田がドウを決め勝利。豊中十六中が一気に勝負をつけた

準々決勝、豊中十六中×高田中【代表】門田×宮本

準々決勝、豊中十六中×高田中【代表】門田×宮本|長い試合となったが門田のひきメンが有効とされた

トーナメント1回戦は、奥田中(富山)に対し先鋒多田、次鋒神原、中堅柴田と快調に3連勝で早々に勝利を決める。

ただし勝敗決した後だが井関、門田は敗れている。高田中(福岡)との準々決勝は中堅柴田が勝って副将井関が敗れ代表者戦となるも、門田が制してベスト4入りを果たした。

準決勝は惜敗したが、あと一歩で決勝というところまで健闘した。

■3位・長崎南山中|優勝経験もある伝統校が復活。18年ぶりの入賞

3位・長崎南山中(長崎)

3位・長崎南山中(長崎)|冨田悠仁(2年)、戸田優人(1年)、山口拓(2年)、池田丞士(3年)、山中駿柊(3年)、冨田康仁(2年)、宮﨑蒼空(2年)。監督=白石政雄

準々決勝、長崎南山中×大塚中【次鋒】戸田×中城

準々決勝、長崎南山中×大塚中【次鋒】戸田×中城|戸田がメンを決め、長崎南山中が先行した

平成12年度に優勝、それ以前に2位1回、3位2回という戦績を残している伝統校が、久々に上位進出を果たした。入賞はその優勝以来18年ぶりとなった。

リーグ戦初戦は先鋒から副将まで4連勝で甲田中に快勝。倉敷南中(岡山)との2回戦は次鋒戸田、副将池田が勝って2―0で勝利を収めた。

新十津川中(北海道)との決勝トーナメント1回戦は次鋒戸田、中堅山口、副将池田が一本ずつを奪って3連勝し、快勝。

大塚中(宮崎)との準々決勝は接戦となり、次鋒戸田の一本勝ち、副将池田の二本勝ちで2勝をあげるも、相手も中堅戦を制し、大将戦では個人戦2位となった伊東に山中がドウを奪われ、あと一本を失えば代表戦という状況となったが山中が踏ん張ってそのまま試合を終わらせた。

■その他の決勝トーナメント1回戦

トーナメント1回戦、幕張本郷中×西和中【中堅】中田×髙橋

トーナメント1回戦、幕張本郷中×西和中【中堅】中田×髙橋|中田がメンを決め一本勝ち。幕張本郷中がこの一本から逆転する

幕張本郷中(千葉)×西和中(和歌山)

西和中の先鋒北本、次鋒西岡がともに一本を奪って勝利。いきなり王手をかけたが、幕張本郷中は中堅戦から反撃。

中田がメンを決めて勝つと、副将森がメンとコテを決めて二本勝ちを収める。この森の二本勝ちが決め手となり、大将戦は引き分けで2(3)─2(2)と幕張本郷中が逆転勝利を収めた。

大塚中(宮崎)×勝央中(岡山)

大塚中が先鋒山本の二本勝ちで幸先の良いスタート。勝央中は中堅山﨑がコテを決めて勝つが、そのまま一本差で迎えた大将戦は大塚中の伊東が植月からコテを奪って2─1とし、大塚中が準々決勝へ。

高田中(福岡)×久御山中(京都)

ポイントを激しく取り合う試合となった。高田中は先鋒塚本がメンを決めて勝つと、次鋒柳詰は相手に先行を許しながら二本を奪い返して逆転勝ち。

中堅戦は久御山中の石畝が二本勝ちを収めると、副将戦で久御山中の永田が先取し、一本一本とされるもメンを決めて勝つ。

この時点で2勝2敗、逆に久御山中が一本リードを奪う。しかし大将戦では高田中の宮本(颯)がメン二本を決め、再逆転で高田中が勝利を収めた。

加古川中(兵庫)×南大分中(大分)

トーナメント1回戦、加古川中×南大分中【代表】和田×岸本

トーナメント1回戦、加古川中×南大分中【代表】和田×岸本|和田のこのコテが有効となった

南大分中の吉村が先勝するが、加古川中が次鋒平岡、副将石田の勝利で逆転、しかし南大分中は大将岸本が粘り、メンを決めて代表戦に持ち込んだ。

大将同士による代表戦では加古川中の和田のひきゴテが決まった。

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